社会・文化
2024-05-03

「朝陽義塾」探訪:ユニークな教育で自律とパイオニア精神を育む!日本進学を全面支援する“奇跡”の学び舎[上海経営者協力会]

日本中国上海教育都市開発


日中ビジネス交流と協力を目的とする組織、上海経営者協力会は4月27日、上海市青浦区にある「朝陽義塾日本国際高校」の見学交流会を開催した。会員企業の経営者ら約50人が参加した。


朝陽義塾は上海に位置する全寮制の私立学校で、日本留学を目指す中国人生徒の進学を全面支援している。同校のユニークな教育理念や、今回の見学イベントを主催した上海経営者協力会について紹介しよう。



全寮制で日本留学の道開く

朝陽義塾日本国際高校は上海青浦区のリゾート地、太陽島に位置し、水郷の町・朱家角にも近い。日本の大学進学支援に特化した私立の全寮制教育機関であり、豊かな生態と自然景観に恵まれた教育環境は同校のシンボルにもなっている。


同校では中国の高校課程、日本語、日本留学生統一試験(略称EJU)といった各カリキュラムを組み合わせ、日本の大学や提携高校への進学を全面支援している。実用日本語検定試験(J-TEST)事務局が試験会場に指定する上海唯一の高校でもある。執行校長の馬言標氏によると、毎年300人の在籍学生のうち100人が日本に留学しており、旧帝国大学や有名私立大学等への進学実績もある。



訪問者に案内をする馬言標氏   画像:上海経営者協力会提供



個性を伸ばす“学習者中心”教育

朝陽義塾では、生徒の個性を伸ばす教育が行われている。日本語講座を受け持つ照屋慶子氏(副校長)が掲げるのは『学習者中心主義』だ。たとえば、日本語入門者には“へのへのもへじ”の要領で複数のひらがなを組み合わせたイラストを描かせたり、異なる漢字から成る“オリジナル漢字”を創らせたりするなど、遊び心を存分に取り入れた指導を行う。詰め込み教育ではなく、生徒の自由な発想とアウトプットの力に重きを置く教育方針を貫いている。


同校の創立者である孫源源氏は浙江省義烏出身の49歳。17歳で高校を卒業し、裁判所書記官等等の仕事を経て、1995年に日本へ留学した経歴をもつ。大学卒業後、当所はホテル業界を志したが、2001年に教育市場に参入、04年に上海で外国人向け中国語スクール「漢院」を設立した。その後、上海長楽ホルムズ職業学校校長、上海朝日教育グループ董事長を経て、2017年に朝陽義塾の設立にこぎつけている。(2022年6月まで同校キャンパスは中国(上海)自由貿易試験区の臨港新区に所在した。)



講演する孫源源氏



自律教育を理念に

孫源源氏はこれまで、教育を生活の一部と捉える理念(教育即生活、生活即教育)を掲げ、自律とマナーを重視した独特の校風をつくりあげてきた。6S(整理、整頓、清掃、清潔、安全、素養)を習慣づけるように生徒に求めるのも、彼らの自主独立とパイオニア精神を培うねらいがあるとされる。さらに、体育施設の整備にも力を入れるほか、キャンパス内でイヌやネコ、鳩、錦鯉を飼育するなど、ユニークな試みは尽きない。


ネット上には、“奇跡の学び舎”と呼ばれる朝陽義塾を創立した異色の教育者にフォーカスしたメディア記事が多く存在する。そのうち、孫氏が掲げる将来の“夢”について取り上げた記事があり、一読に値する。以下、編集部による翻訳のもと内容の一部を紹介しよう。

*



私には夢がある。

全日制・全寮制シニアカレッジを設立し、高齢者たちに充実した人生を送る場を提供するという夢だ。

それは私自身のためでもあり、また社会全体にとっても有益なものとなるだろう。


雇うのはごく少数の人員でよい。

康な高齢者を“学部生”として迎え、彼らには報酬を受け取りながら学校の業務に従事してもらう。

そして、彼らが介護を必要とするようになった時には“大学院”に進学し、今度は新たな“学部生”が介護に付き添うのだ。


やがて、当初“学部生”だった彼らにも“卒業”の日が近づいてくる。

そのときは寺院近くの“博士号コース”に身を置き、人生の学びを集大成させる。


充実感に浸りながらこの世を去る日まで、共に学び合い、支え合うーー。

そんな幸福に満ちた晩年を過ごせる“学び舎”を私はつくってみたいのだーー。(孫源源氏)


出所:孙源源 | 享受当职校校长的我是怎样办学的?



キャンパスでは鯉も飼育している



日中交流の架け橋

なお、今回の朝陽義塾見学イベントを企画・運営した上海経営者協力会は日本人および知日派中国人の経営者から成る組織だ。2009年に設立され、15年間に及ぶ活動歴がある。日中間のビジネスマッチングやコラボレーションの促進を目的とした数々のイベントを実施しており、今回の見学交流会で55回目を数える。上海本部の定例会は184回開催した。また、東京支部、大阪支部、名古屋支部や札幌支部などでも活発な活動が行われている。


同協会の創立者であり事務局を担当する于平氏(上海華瀛軟件有限公司董事長総経理)は、上海日中コミュニティ情報誌『Marco(中日商務文化交流新視点)』の委員長や岐阜大学客員教授、工学博士といった肩書を持つ。日中相互理解に尽力した貢献は在上海日本国総領事館からも認められ、昨年9月、赤松秀一総領事・大使より在外公館長表彰を授与されている。(編集:耕雲)


照屋慶子氏(朝陽塾副校長)と演壇に立つ于平氏(左)


 参考 


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01

「Marco」のご紹介

 上海日中コミュニティ情報誌『Marco |中日商務文化交流新視点』の名称は「東方見聞録」の主人公マルコポーロをモチーフとして名付けられた。B5サイズ、12ページほどの小冊子で、2009年に創刊。上海に在住する日本人や知日派中国人に親しまれている。

02

Marco」の基本情報

  日系企業の進出、中国企業の紹介、中国地方都市への視察会など日中コラボを促進するイベントに関する情報や、 会員サークルに向けた便利情報を発信している。


発行日

隔月1日

配布先

上海の日本料理店、ホテル、公的機関、サービスアパートメント等

発行日

1日(奇数月)

連絡先

中国上海市浦東新区御青路1043号  

恒華大廈1604室

Tel:+86-21-5812-4777

Email:[email protected]


03

邦人NAVIアプリのフリマガ


「邦人NAVI」のアプリでは、世界各都市で発行されている日本語フリーペーパーの電子版が閲覧できるライブラリー機能(=「フリマガ」=)を搭載している。『Marco |中日商務文化交流新視点』のバックナンバーをチェックすることも可能だ。




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