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2025-09-30

“炭治郎”が『スーパーマン』の背中を捉えた!もしも『鬼滅の刃 無限城編』が中国でも放映されたなら

もしも『鬼滅の刃 無限城編』が中国でも放映されたなら

『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の興行収入が世界で6億ドルを超え、2025年興収ランキングの順位は8位に上がった。低コスト・高品質の強みで北米・欧州市場にも浸透、もし中国本土でも公開が実現すれば、さらに上振れが視野に入る。 【音声付】“炭治郎”が『スーパーマン』の背中を捉えた!もしも『鬼滅の刃 無限城編』が中国でも放映されたなら
鬼滅の刃 無限城編 表紙ビジュアル

『無限城編』の現在地

『「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』は2024年放送のテレビアニメ「柱稽古編」と地続きの劇場版である。鬼殺隊が無限城へ突入し、上弦の参・猗窩座と死闘に至る直前までが描かれる。日本のみならず北米・欧州でも動員を積み増し、空前のヒット作となっているのは周知の通りだ。 

世界興収は6億500万米ドルに到達し、海外で最も興収が高い日本映画となった。日本国内では一部の単日首位を『劇場版『チェンソーマン レゼ篇』に譲る局面もあるが、累計推移は封切りから2か月経過したいまでも堅調であり、日本国内トップの『無限列車編』超えも視野に入る。

『スーパーマン』を追撃

そんな『無限城編』が、29日、ついに2025年の世界興収ランキングで暫定トップ10圏内に躍り出たことが話題になっている。『スーパーマン』(7位)に次ぐ8位という順位だ。

北米や欧州でのヒットが重なり、視聴者はコアなファン層から一般層へと裾野が広がっている。収入源が日本に偏っていないため、広い地域で息長く積み上げるロングラン型のヒットとなっている。

2025年公開映画 世界興行収入ランキング 暫定TOP10

順位作品世界興収主要配給国当該市場興収製作費
1哪吒2 (Ne Zha 2)$1,902,337,333中国$1,862,459,345$80,000,000
2リロ&スティッチ (Lilo & Stitch)$1,037,270,317米国・カナダ$423,778,131$100,000,000
3マインクラフト (Minecraft)$957,849,195米国・カナダ$423,949,195$150,000,000
4ジュラシック・ワールド:リバース (Jurassic World: Rebirth)$867,114,682米国・カナダ$339,640,400$225,000,000
5ヒックとドラゴン(実写) (How to Train Your Dragon (Live Action))$634,971,824米国・カナダ$262,958,100$150,000,000
6F1: The Movie$626,214,586米国・カナダ$189,514,586$200–300,000,000
7スーパーマン (Superman)$615,671,478米国・カナダ$354,171,478$225,000,000
8鬼滅の刃 無限城編 (Demon Slayer: Infinity Castle)$605,401,531日本$229,860,175約$20,000,000
9ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング (Mission: Impossible – Final Reckoning)$598,767,057米国・カナダ$197,413,515$400,000,000
10インサイド・ヘッド2 (Inside Out 2)$587,654,321米国・カナダ$280,123,456$200,000,000

コスパ出色、驚くべき低予算

『無限城編』の制作費は約2000万米ドル前後に過ぎないと言われる。かたや『スーパーマン』は、マーケティング費用を除いた純制作費だけでも少なくとも2億2,500万ドル(約332億円)に及ぶとされる。桁が違うのだ。

それでも『無限城編』の映像・音楽・演出の完成度は高く、費用対効果が極めて良好な様相を示している。昨年VFXオスカーを制した『ゴジラ−1.0』と同じく、少ないコストでも中身で勝てる流れを象徴している。興行の成否は、総額勝負から、物語設計と演出で競う時代に移ってきたといえそうだ。

炭治郎とスーパーマン

※画像はイメージです(AI生成)

Nazhaとは異なるかせぎ方

ちなみに2025年興収トップは『哪吒2(Nazha2)』だ。旧正月(春節)期間中に中国本土で爆発的なヒットとなり、その後、世界首位の座にのぼりつめた。世界20億1500万ドルという桁違いの規模に達しているが、大半は中国本土の収入で占められる。

対して『鬼滅の刃‐無限城編』は、前述したとおり、日本・北米・欧州・アジアに収益源が分散する“多市場積み上げ型”となっており、対照的な“稼ぎ方”となっている。そして重要なのが、『無限城編』は香港で好調に興収を伸ばしている一方、中国本土では未公開となっていることだ。そこで、AIにシミュレーションを行ってもらうことにしよう。

中国国内における日本の映画作品の興行収入ランキング

順位作品中国興収 (CNY)USD換算
1すずめの戸締まり808,000,000$113.52M
2君たちはどう生きるか791,000,000$111.14M
3君の名は。714,000,000$100.32M
4THE FIRST SLAM DUNK663,000,000$93.15M
5STAND BY ME ドラえもん529,000,000$74.32M
6千と千尋の神隠し488,000,000$68.56M
7名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)397,000,000$55.78M
8劇場版 SPY×FAMILY CODE: White293,000,000$41.17M
9天気の子288,000,000$40.46M
10名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)286,000,000$40.18M

“もし中国公開なら”の射程

AIへの質問:“過去の日本アニメ上位実績と華語圏の受容性、ならびに香港で上映中の興行収入の動向を勘案した場合、かりに『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が中国本土で上映されたとき、興行収入はどのくらいまで伸びるのかーー。

すると返ってきたのが、控えめな推定で4–5億人民元(5600万~7000万米ドル)という回答だ。標準推定では6–7億人民元(8400万~9800万米ドル)、強気な推定では8–10億CNY(1万1200万~1万4000万米ドル)というレンジとなっている。

最終的な到達点が下限にとどまるのか、上限に上振れするのかは、かりに劇場公開が実現するにしてもその時期(連休期かどうか等)、スクリーン供給数、字幕/吹替の運用、並行放映となる大作との競合といった条件に左右されることだろう。

ネット上では「敲碗(qiāo wǎn)」という言葉(茶碗をたたいて食事を催促する子どもの様子)で形容されるがごとく、「鬼灭粉(鬼滅ファン)」たちから劇場公開を待ちわびる声が絶えない。あとは風を待つのみ(只欠東風)ーーそんな熱気が中国のSNSには漂っている。(編集:耕雲)

興行収入動向アイコン
情報ソース
  • 2025 Worldwide Box Office(年次ランキング・暫定):Box Office Mojo。本文の世界順位・額の根拠。
  • Demon Slayer: Infinity Castle(地域別内訳・香港**$10.59M**ほか):Box Office Mojo タイトルページ。
  • Superman (2025)(世界**$615.7M**):Box Office Mojo 作品ページ。
  • Ne Zha 2(世界**$2.15B**、国別内訳=中国本土中心):Box Office Mojo/2025 International集計。
  • 『ゴジラ−1.0』の低予算×VFXオスカー(<$15M)**:Vulture(特集記事)




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