公共バスもオンデマンド時代!運行ダイヤ気にせずオンライン予約
浙江省嘉興市で7月31日、公共バスのオンライン配車予約サービスのテスト運営が始まった。スマートフォンで公共バスの乗車予約を行い、経済的な移動手段をオンデマンドという形で市民に提供するこの新たなサービスは、公共交通の未来を先取りする革新的なモデルとして注目されている。
スマホで公共バスの乗車予約
「公共バスのオンライン配車予約サービス(網約公交、Demand Response Transit, DRT)」は、乗客がスマートフォンを使って乗車リクエストを提出し、公共バスが即時に対応し指定されたバス停で乗客を送迎するという新しいスタイルの交通手段だ。
このサービスは従来の「あらかじめ決められたバス路線と運行ダイヤにもとづいて乗車する」という方式から、バス車両がオンデマンドで配置される方式にシフトされたものだ。2023年から中国の各都市が次々とサービスの試行を始めており、たとえば広州では「拼BUS(ピンバス)」という名称でサービスが展開されている。また、成都では小型バスでサービスが提供され、効率的な運行を実現している。このほか、西安や東莞、無錫でも同様のサービスが開始している。
利用方法は?嘉興では料金一律3元
7月31日には浙江省嘉興市でも「動態公交」の名称で同類のサービスが始まった。運行時間は8時から16時までで、東は永紅村、南は祥和花園A区、西は梅花洲景区(石仏寺)、北は鳳北路までの約3平方キロメートルが対象エリアになる。エリア内には梅花洲景区(石仏寺)、桃園小洲、文化体育公園、鳳南小区、鳳橋農貿市場など36のバス停があり、位置情報をオンにすると最寄りの乗車地点が自動的にマッチングされる。乗車地と降車地は所定の運行エリア内である必要がある。
サービスを利用するには、「嘉通行」のミニプログラムを利用する。もしくは、嘉興公交バスのWeixin(微信、WeChat)アカウントから「動態公交」を選択するか、バス停に設置されているQRコードをスキャンして「優点出行」ミニプログラムを立ち上げる。「拼車(ピン車)」モードを選択し、乗車駅や降車駅、乗車人数などの情報を入力して予約料金を支払うという手順だ。乗車時はドライバーに予約時の確認コードを提示する。ミニプログラム上で車両の到着予想時間を確認することができる。料金は一律3元で、身長1.2メートル以下の子どもは半額という設定だが、試運行期間中にクーポンを取得するとオンライン予約料金が無料になる。
政策も後押し
公共バスのオンライン配車予約サービスがスタートした背景には、バス利用者数がコロナ禍前の水準になかなか回復せず、経営困難に直面する運営会社が出てきたことがある。一方で、オンライン予約タクシーのドライバー増や昨今の無人運転タクシーの増加などの情勢を受け、通常バス交通の枠組みの変更やアップグレードを模索する都市が増えてきたことがある。
こうした趨勢を受けて交通運輸部が「公共バスのオンライン配車予約サービスについて健全な発展を促進するための指導意見」を発表し、運営規範と管理要件を明確にしたのが2023年初頭のことだ。運営資格の取得、運転手の背景審査と訓練強化、料金やサービス品質の基準等について規定されている。各地方政府は監督管理プラットフォームを設立し、データをリアルタイムで監視し、バランスを保った市場秩序の規範化と乗客の安全保障の実現を目指している。
発展の展望と課題
技術革新とビッグデータ技術の進歩により、公共バスのオンライン配車予約サービスは、マッチング機能の精度が向上している。深層学習アルゴリズムを活用し、乗客ニーズを正確に予測して路線と発車時間を最適化することが可能になってきた。無人運転のバスの安全性と効率性がより向上すれば、高齢者や障害者向けのサービス、夜間バスの運行、カスタマイズされた利用ニーズへの対応でも新たな展開が期待できるだろう。
なお、市場競争が激化する中、サービスを提供する企業はサービス品質と技術レベルを向上させる必要に直面している。今後の課題としては、安全性の確保、企業利益と公益性のバランス、市場の不確実性や政策の変化への対応が重要になってくる。公共バスのオンライン配車予約という革新的な交通手段が、技術革新、サービスモデルの多様化、効果的な政策監視を通じて、中国の都市交通にける役割を今後どのように果たしていくのか目が離せない。(編集:耕雲)
参考