「薬膳アイス」がヒット、“生薬プラス”の健康効果には疑問符も
上海で売り出された薬膳アイスクリームがヒット商品となっている。生薬を調合した飲食品が健康志向の若者たちから支持を集めているが、専門家はその健康効果を否定、むしろリスクとなる可能性も指摘している。「生薬+」ブームは、今後どんな展開を見せていくのだろうか。
「薬膳アイス」がヒット
上海で最近オープンしたアイスクリーム店が「薬膳アイスクリーム」を発売し、爆発的な人気を集めている。生薬を調合したジェラートで、生薬の味をできるだけ再現しつつ、苦味を抑え、一般受けする味わいを狙っている。
この店舗が提供する生薬アイスクリームには16種類のフレーバーがあり、ダブル(120グラム)が38元(約760円)、トリプル(150グラム)が45元(約900円)という価格設定である。また、トッピングとして選べる生薬には、長白山産の高麗人参(12元)や冬虫夏草(18元)がある。
健康効果はなしと専門家
店舗のメニューには、「桂円、ナツメ、ライスミルク」入りのフレーバーは心を落ち着け、「八仙果」入りは痰や咳を鎮め、「龍参・ジャスミンライム茶」入りは元気を補うなどの生薬の“効能”が記載されている。しかし、薬膳アイスクリームにこうした効能は期待できないという専門家の指摘がある。
むしろ、「生薬プラス」に過度に依存することは、健康面で逆効果となる可能性もある。生薬を使用した飲食品には、これまでにアメリカンコーヒーやミルクティー、パン類などが登場しているが、健康効果を求めるなら、季節や個人の体質に合った適切な薬材の選択と調合に加え、糖分や添加物の影響を考慮する必要があるというわけだ。
「生薬プラス」の行方は?
中国の食品衛生法では、「中華人民共和国薬典」に記載された薬食同源の食品を除き、食品に薬物を加えることが禁じられている。一方で、生薬の効果を得るためには長期的な摂取が必要だが、冷たい飲食品の長期摂取は推奨されるものではない。そもそも、中医学には冷えた飲み物や食べ物が体内の陽気を損ない、脾胃の機能に悪影響を与えるという考え方がある。
こうした矛盾を抱えながらも、「薬膳アイスクリーム」はSNSで話題の商品として注目を集めている。夜更かしをしつつ健康的なライフスタイルを確保したいーーそんな若年層の欲張りなニーズから生まれたこの「生薬プラス」トレンドの行方に注目したい。(編集:耕雲)
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