「南海トラフ注意」が解除、インバウンド活況も警戒の“余波”、地震リスクにどう備える?
日本の気象庁が史上初めて発出した南海トラフ地震に関する臨時情報の呼びかけ「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が8月15日をもって解除される運びとなった。しかし、今後も気象庁による発表に注意を向けつつ、地震警戒情報の収集に役立つツールを活用するなど、日頃から防災意識を高めておくことが求められる。
「巨大地震注意」が解除
日本の気象庁が発出していた「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が8月15日に解除された。この注意喚起は、8月8日に日向灘で発生したマグニチュード7.1の地震を受け、日本の太平洋沿岸地域で大規模な地震発生のリスクが高まったことを受けたものだった。
日本政府は緊急対応を行い、JR各社が新幹線や沿岸地域を通過する列車の速度を減少させるなどの予防措置を講じたが、その後は地震活動が落ち着いた。16日現在、JR各社は通常運行に戻したとする告知を行っている(ただし台風7号の影響による新幹線の運転取りやめも発生している)。
警戒対象は台風も。JR東日本のホームページでの告知(16日)と東海道本線の列車内の案内通知
観光業、インバウンドへの影響は?
今回の巨大地震注意の呼びかけでは、NHKが13日に報じたように、愛媛県松山市の道後温泉地域で15日までに数千人規模の宿泊キャンセルが予想されたとされるように、経済へのダメージが強調された報道も相次いだ。和歌山県白浜町では10日に予定されていた「南紀白浜花火フェスタ」を中止し、「注意」の呼びかけ期間中は海水浴場4か所の営業を取りやめる措置をとっていた。
ただし、日本の旅行業界への影響は短期的なものであり、「注意」呼びかけの期間中に発生した予約キャンセルはさほど多くないとするホテル関係者の声もある(愛知県のホテル)。京都などの人気観光地や繁華街では依然として訪日外国人で賑わい、複数のビジネスホテルの宿泊予約アプリは「注意」呼び掛け期間中に「空室なし」を示した店舗が多かった。
南海トラフ地震への関心と警戒
一方、香港やマカオでは訪日中または訪日予定者に対し、安全に注意するように警告が発表された。中国本土では旅行社が航空券の払い戻しを求める問い合わせ対応に追われたと報じられている。「大地震注意」は解除されたものの、中国のSNSでは日本渡航が危険であると印象づける情報も少なくない。
SNSでは「大地震注意」解除後も日本渡航リスクを過度に強調した情報が目立つ
背景には今年1月1日に発生した能登半島大地震の影響もあり、南海トラフ地震への関心が国内外で高まっていることがある。特に「半割れ」と呼ばれる震源域の一部分だけが破裂するケースが警戒されている。これは、救出や支援活動中に別の地域で新たな地震が発生するリスクを指す。日本政府が地方自治体に迅速かつ適切に指示を出せるよう指示権を拡大する地方自治法の改正を行った背景の一つには、こうした事態への対応力強化があるとの見方がある。
気象庁は南海トラフ地震関連の情報を定期的に発信している
相次ぐ大震災の記念日、防災ツールはどう活用?
間もなく9月1日を迎える。関東大震災から101年が経過したことになるが、能登半島地震から1周年となる来年は、阪神・淡路大震災から30周年という節目の年になる。過去に発生した震災を振り返りつつ、今後の防災対策を強化することが求められくる。南海トラフ地震に関する情報については、気象庁が公式サイトで詳細を解説し、地殻活動の推移についても発表しているので注視しておきたい。
一方、中国在住の日本人にとっては「Weixin(微信、WeChat)」の「国家地震台網」が提供する「地震警戒情報」ミニプログラムの活用も有効だ。このプログラムは、地震発生の数十秒前に震源地や推定震度を知らせるもので、日常的な防災にも役立つ。今朝(16日)は福建、広東沿海域で地震の揺れが感じられたことをいち早く伝えていた。(編集:耕雲)
参考
中国の地震警報サービスが進化、Weixinのミニプログラムでアラート即時通知 (qq.com) 気象庁|南海トラフ地震 (jma.go.jp) 特大地震可能!去日本机票退改签免费吗?多家航司回应→ (qq.com) 松山 道後温泉 キャンセル数千人の見込み 南海トラフ情報受け | NHK | 愛媛県
地震情報で閉鎖の白良浜海水浴場が15日再開へ 和歌山県白浜町、町営浴場も(紀伊民報) - Yahoo!ニュース