渋滞解消のカギはここに?中国各都市で拡充する『P&R』、持続的成長を牽引へ
中国の主要都市で、パーク・アンド・ライド(Park-and-Ride)が急速に整備されている。自家用車で最寄り駅まで移動し、そこから公共交通機関に乗り換えるシステムであり、交通渋滞の緩和や大気汚染の削減に寄与するものとして期待されている。
パーク&ライドの普及進む
中国の主要都市で「パーク・アンド・ライド(Park-and-Ride)」が充実し始めている。「パーク・アンド・ライド」とは、自宅から最寄り駅または停留所まで自動車で移動し、そこで駐車(Park)してから公共交通機関に乗り換え(Ride)、都心部などの目的地へ向かうシステムである。
Wikipediaによれば、1960年代の日本では「郊外駐車制」や「郊外駐車制度」といった訳語が使われることもあったが、現在では「パーク・アンド・ライド(P&R)」というカタカナ表記が一般的である。一方、中国では「停车换乘(Tíngchē Huànchéng)」と訳され、「P+R」と表記されるケースが多い。
ちなみに、末端交通機関に自動車以外を利用する場合には、次のようなパターンが存在する。
サイクルアンドライド 英語: Cycle-and-Ride 中国語: 自行车换乘 (Zìxíngchē huànchéng) (末端交通機関が自転車の場合) バスアンドライド 英語: Bus-and-Ride 中国語: 公交车换乘 (Gōngjiāochē huànchéng) (末端交通機関がバスの場合) 観光バスアンドライド 英語: Tourist Bus-and-Ride 中国語: 旅游大巴换乘 (Lǚyóu dàbā huànchéng) ライドアンドライド 英語: Ride-and-Ride 中国語: 轨道换乘 (Guǐdào huànchéng) (末端交通機関も軌道系の場合) キスアンドライド 英語: Kiss-and-Ride (K&R) 中国語: 即停即走 (Jítíng jízǒu) (kiss-and-ride、略称K&R、家族に最寄駅まで送迎してもらい、そこから公共交通機関に乗り換えて通勤や通学などを行う方法)
成都、蘇州などで整備加速
パーク・アンド・ライドの導入は、都心部の交通量を減少させ、渋滞を緩和し、さらに大気汚染や温室効果ガスの排出を抑制しながら、公共交通機関の利用率を向上させることを目的としている。市民にとっても、都市内の渋滞を避けつつ、効率的に都心部へアクセスできるため、移動ストレスを軽減し、総合的な移動コストを削減できるという大きなメリットがある。これにより、都市の交通構造が最適化され、環境負荷が軽減されることで、持続可能な発展が期待されている。
このようなパーク・アンド・ライド施設(駐車場)の整備が、中国の主要都市で進行中である。例えば、四川省の成都市では、今年2月に11か所のパーク・アンド・ライド駐車場(収容台数合計3,168台)の運用が開始された。市民はWeixin(微信)やアリペイの「成都停车」ミニプログラム、または市民サービスアプリ「天府通」を利用して、割引料金でこのサービスを受けることができる。
また、蘇州市では3月に『蘇州市軌道交通P+R駐車場目録の更新および調整に関する通知』が発表され、同市で新たに21か所のパーク・アンド・ライド駐車場が追加されたことが明らかにされた。
上海では1回5~12元が相場
上海市では、同市交通委員会が市内に20か所の公共P&R駐車場があり、合計5,837台分の駐車スペースが提供されている(※Weixin公式アカウント「上海发布」の2021年9月10日および2024年8月16日の発表より)。これらの駐車場は、地下鉄1、2、3、7、8、9、11、17号線および金山鉄道の計9路線、20駅をカバーする。
利用料金は駐車場ごとに異なるが、1回あたり5元または10元が一般的である(最高額は12元)。また、指定されたサービス時間内に利用する場合、駐車料金の割引が適用されることもある。市交通委員会と関連部門が共同で策定した「上海市公共駐車場建設および運営管理規定」が9月10日から施行されるが、この規定により、パーク・アンド・ライド駐車場の利用可能時間は始発時刻の30分前から終電時刻の30分後までとされており、駅の運営時間を十分にカバーするように設定されている。
なお、料金の支払いは公共交通カードを使用して行われ、同一のカードに駐車記録と公共交通機関の利用記録が保存されるという。各駐車場の詳細情報やパーク・アンド・ライド関連のサービスに関する最新情報は「上海停车」アプリで確認することができる。(編集:耕雲)
参考
《上海市公共停车设施建设运营管理规定》发布,9月10日起施行 (shobserver.com)