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2024-08-21

[大連]鮮烈な抽象画に込めた大連への想いと思索――日本人画家が個展、『永遠の瞬間』は9/17まで

日本都市開発


                         

大連に根ざして活動する日本人画家、千田三砂子さんの個展「永遠の瞬間(刹那间的永恒、THE ETERNITY OF A MOMENT)」が、大連・辰熙ACX星海芸術センターで開催中だ。30歳から独学で始めた彼女の創作活動はいま、四半世紀の時を経て深い思索の世界へと進化し、その作品は観る者を引き付ける。彼女の創作の背景と作品に込められた想いについて伺った。


画像:千田さんの代表作の一つ『私の心の中の大連』




大連定住の日本人画家が個展

8月8日、千田三砂子(ちだ みさこ)氏の個展「永遠の瞬間」が辰熙(しんき)ACX星海芸術センターで開幕した。式典には大連領事事務所の浜田伸子首席代表が招かれ、挨拶を行った。浜田首席代表は、「大連に深い愛着を持つ千田さんの個展がこの都市で開催されることを非常に喜ばしく思う」と述べ、この展覧会が絵画の魅力を広め、日中間の文化交流を深める一助となることを期待した。同展覧会は9月17日まで開催される。(在瀋陽日本国総領事館在大連領事事務所ウェブサイトより)


辰熙ACX星海艺术中心 (画像:大連領事事務所 Weixin公式アカウント)



30歳で立志、油絵を独学

千田さんは横浜生まれ。商社に勤めていた父を持ち、16歳でアメリカに留学した。中国を初めて訪れたのは27歳の時だ。美しい海岸線を持つ大連の魅力に惹かれ、定住を決意した。以来、四半世紀が経つ。「25年間住み続け、他都市に出向いても大連に戻ると家に帰ってきたと感じる」(千田さん)


油絵を描き始めたのは30歳からと、アーティストとしては遅咲き。しかも独学での挑戦だったが、幼少期からの絵画や創作への興味が大連との邂逅をきっかけに徐々に形を成していったといえる。「30歳になる前に、油絵を描いてみたいと思うようになり、画材を一式揃えて独学で始めた」と千田さんは当時を振り返る。




「一刹那に宿る永遠」を探して

千田さんの作品は、その時々の感情に基づいて描かれており、特定のスタイルに拘らない自由な創作が特徴である。初期の作品テーマは天使や女性、風景、仏教をモチーフにしたものなど、ありとあらゆる邂逅やインスピレーションを形にしてきた。水墨画も手掛けた。現在は深い思索を時には大胆に、時には繊細なタッチで表現した抽象画が主流になっている。「自由気ままに筆を走らせられるので、自分に一番合ったスタイルのように感じる」と千田さんは語る。


抽象画の鑑賞にハードルを感じる人には、「特に理解しようと思わなくてよい。色や雰囲気を楽しんでほしい」とアドバイスする。インスピレーションを与えてくれる多くのアーティストたちへの感謝の想いを示しつつ、自由な表現で大連への深い愛情を作品に込める。鑑賞者は作品を通してかけがえのない「一刹那に宿る永遠(永遠の瞬間)」の存在に気づくことだろう。千田さんは「ふだんアートに触れない方にも、楽しくポジティブな体験をしてもらいたい」と期待を寄せている。(編集:耕雲)


『Green Bridge 绿桥』(辰熙ACX星海芸術センターのWeixin公式アカウント配信の記事から)




【インタビュー】

千田氏が紡ぐ創作の旅路

抽象画の魅力とは?




◯編集部: 30歳で絵を描き始めたきっかけは何ですか?また、大連との縁や愛着について教えてください。


千田三砂子さん: 子どもの頃から絵を描いたり、紙粘土をいじったりするのが好きでしたが、本格的に学んだことはありませんでした。30歳になる前に油絵を描いてみたいと思い、何も知識がないまま画材店で一式を揃えたのが始まりです。その後、大連でギャラリー関係者と知り合い、会社勤務をしながら週末に絵を描く日々を過ごしていた時期を経て、いつしかフルタイムを注ぐライフワークとなりました。大連に住んで25年になりますが、この美しい都市に深い愛着を感じており、他の都市から戻ってくると「家に帰ってきた」とホッとします。


◯現在の作品において、特に重視しているテーマや表現したいメッセージは何ですか?


作風には特にこだわりはなく、その時の気分に応じて作品を描いています。時には花を描き、また時には抽象画を描くなど、自由に表現しています。特に抽象画は、自由に筆を走らせられるので、自分に最も合ったスタイルだと感じています。


◯現在開催中の展覧会では、どのようなテーマを掲げていますか?また、訪れる方に見てほしい作品はありますか?


展覧会のテーマや構成は、キュレーターである夫のクラスメートだった方や美術館スタッフが決定してくれました。多くの方が大連を描いた作品を気に入ってくださるので、ぜひその作品を楽しんでいただければと思います。この作品は1年半かけて色を重ね続けたもので、特に見どころです。



作品を鑑賞する来場者(画像:読者提供)


◯今回の展覧会で、来場者が参加して楽しめる企画やアクティビティはありますか?


展覧会には皆さんも創作を楽しむことができるよう、大きなキャンバスが2つ並んで用意されています。そこに皆さんが好きなように絵を描いたり、シールを貼ったりできるので、小さなお子さんから大人の方まで一緒に創作を楽しんでいただけたらいいなと思っています。


◯抽象画が難しいと感じる方に、どのように楽しめばよいかアドバイスしていただけませんか。


抽象画は理解しようとせず、感覚的に楽しんでいただければと思います。色が好き、雰囲気が独特、これはワイルドだな、など、感じるままに楽しんでいただくのが一番です。


アートは安らぎや癒しを提供してくれると思っています。私自身も展覧会に出向いて色々なアーティストさんの作品を観賞すると、インスピレーションを受けたり、気分がアップしたりします。


◯今後のアート活動の目標や、影響を受けたアーティストについて教えてください。


特定のテーマやスタイルに縛られず、自由に作品を創作し続けたいと思っています。世界的に有名な歴史上の画家さんたちから、いま作品を発表し続けている世界各国のアーティストさんまで、色々な方の作品を目にしてはインスパイアされています。ピエール・ボナール、マーク・シャガールなど、色が素晴らしかったり大胆だったりする画家さんの作品が個人的にはとても好きです。今回の展覧会でも、来場者の方々に少しでも安らぎや癒しを提供できれば嬉しいです。(了)



◆千田氏プロフィール:

横浜生まれ、16歳のときに米国に留学、27歳に大連を訪れ定住を決意、30歳から独学で絵画の道に入る。近年の作風は抽象表現主義の反抗と自由への傾倒が見られると評され、流行に敏感な国内外の収集家から支持を受けている。


創作中の千田氏(画像出所:辰熙ACX星海艺术中心Weixin公式アカウント)




抽象画は「理解するより感じるまま楽しむこと」(千田氏)。大連市内のCozzバーに展示されている千田氏の作品


 参考 



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