『ビザ免』国からの訪日者に事前審査、日本版エスタで不法滞在防止へ
日本はこれまで、米国や英国、オーストラリア、カナダ、シンガポール、フランスなど71か国からの旅行者に対してビザ免除を提供し、比較的容易な入国手続きを取ってきた。しかし、この方針が大きく変わろうとしている。2030年から本格導入が予定されている「JESTA」は、旅行者の適格性を事前に判断し、不法滞在リスクの回避を目的とした新たな審査システムである。
日本版ESTAの導入へ
日本政府がビザ免除国からの訪日客に対する新たな審査システム「JESTA」(Japan Electronic System for Travel Authorization)を導入する予定だという。米国の電子旅行認証システム(ESTA、エスタ)をモデルにしたもので、ビザ免除国からの短期訪問者に対し、渡航前にオンラインでの事前申告と許可取得を義務づけるものである。
このシステムが導入されれば、訪日を希望する申請者は、個人情報や旅券情報、滞在目的、滞在先などの情報をオンラインで提出し、日本政府が審査を行う。不法滞在や入国規則違反のリスクがあると判断された場合、入国は拒否され、ビザの申請が必要になる。JESTAは、訪日外国人の入国管理を強化し、安全性を高めるための対策として期待されている。
不法滞在者が増加
日本では、観光やビジネス目的で訪日する外国人客が年々増加している。時事通信オンラインの7月19日付報道によると、2024年には過去最多の3,500万人の外国人旅行者が見込まれ、観光消費額は8兆円に達する可能性がある。しかし、ビザ免除国からの短期訪問者が増加する一方で、弊害も出てきた。滞在目的の確認が不十分な場合も多く、不法滞在や不法労働を目的とする入国が増加している。
読売新聞オンラインが4月10日付で報じた入管庁によるデータでは、2024年1月時点の不法残留者は7万9113人に及び、うち62.9%にあたる4万9801人が短期滞在の在留資格だった。2016年に確認された短期不法滞在者の数は4万9,801人だったため明らかに増加傾向が認められる。そのため、日本政府はJESTAを導入することで、入国前の事前審査を通して、不法滞在のリスクを防ぐ体制を整えていく方針と見られている。
71か国と地域に影響
日本政府はJESTAの研究・開発を進めており、 2030年までの本格施行を目指しているとされる。米国、英国、オーストラリア、カナダ、シンガポールなど、観光や出張、親族訪問などを目的とした短期滞在ビザの取得を免除された71の国・地域からの入国希望者が影響を受けることになる。
なお、同システムの導入によって渡航手続きが複雑になる可能性があるが、事前審査によって入国時の混乱や待ち時間の削減が期待される。試験運用が始まった場合、航空会社が不審な旅行者の搭乗を拒否する権限を持つ仕組みが導入され、旅行者情報を「ブラックリスト」と照合できる体制を整備する見通しだ。(編集:耕雲)
参考
日本入境又出新规……免签旅客需事先申请旅行授权 (qq.com) Japan to Introduce U.S.-Style Electronic Travel Authorization: 71 Nations Affected (skift.com) Japan's New Entry System for Tourists (JESTA): What You Need to Know - GaijinPot ESTA(エスタ)申請 - 在日米国大使館と領事館 (usembassy.gov) ビザ|外務省 (mofa.go.jp) 外国人の入国者、日本渡航前に事前審査へ…「日本版エスタ」不法就労やテロ阻止 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp)
訪日客、年間最多3500万人へ 消費額8兆円視野―日本政府観光局:時事ドットコム (jiji.com)