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2024-09-23

広東省でデング熱感染増加、マダニ媒介の新型ウイルスにも動向注視を


広東省で感染が増加しているデング熱のほか、東北部で発見された新型ウイルスが新たな健康リスクとして注目されている。マダニを介して人に感染する「ウエットランドウイルス(WELV)」は2019年に内モンゴルで発見され、感染者は発熱や頭痛といった主症状を呈する。一部の患者には神経症状も確認されている。


広東でデング熱感染増加

新聞晨報Weixin公式アカウント等が伝えたところによると、広東省がデング熱の流行期に突入している。8月から感染者数が増加しており、9月9日から15日の6日間で775例の新規感染が報告され、うち768例が本土感染だったとされる。とくに仏山市での感染が目立ち、感染例は296例にのぼった。

8月全体ではデング熱の感染者は1220例を数え、7月の987例と比較しても大幅に増加している。重症例や死亡例は確認されていないものの、感染拡大リスクが一層高まっていると見なされており、深圳市等では家庭内外の水たまりを清掃し、蚊の発生源を抑えるなど、市民に向けて予防措置を取るように注意喚起をしている。


湿地ウイルス(WELV)とは?

蚊を媒介とする急性感染症とは別に、昨今注目を浴びているウイルスに「ウエットランドウイルス(WELV)」がある。医学専門誌『ニューイングランド医学雑誌(NEJM)』にこのほど紹介されたもので、中国軍事医学科学院と中国農業科学院の共同研究によって命名、内モンゴル、黒竜江、吉林、遼寧などに分布していることが判明している。

このウイルスが初めて確認されたのは2019年6月のことで、マダニによって媒介され、急性感染を引き起こす可能性がある。当時、内モンゴル湿地帯にある公園でマダニに噛まれた61歳の男性が5日後に発症し、発熱、頭痛、嘔吐などの症状を呈した。17人の患者が研究対象となり、感染後に発熱、頭痛、筋肉痛、関節炎、背痛などの症状を呈することが確認された。入院治療や対症療法によって回復しており、死亡例は報告されていない。


WELVの臨床症状は?

WELVは、マダニによる咬傷を通じて人に感染し、急性感染を引き起こす。疫学調査の結果、東北地域のマダニ、羊、馬、豚、旱獺(かんたつ)などの動物からウイルスが検出されたという。発熱(94%)、頭痛、めまい、倦怠感、筋肉痛、関節炎、背痛などの臨床症状が確認されている。53%の患者に胃腸の症状(悪心、嘔吐、下痢)が見られ、24%の患者に点状出血が、29%に局所リンパ節の病変がそれぞれ現れたほか、不安、傾眠、昏睡といった神経症の症状が確認された症例も1例あるとされる。


実験室での検査では、ウエットランドウイルスに感染した患者の多くがリンパ球(65%)、血小板(41%)、白血球(35%)の減少を示し、高感度C反応性タンパク(47%)、フィブリノゲン(47%)、D-ダイマー(41%)、乳酸脱水素酵素(41%)、肝酵素(29%)の上昇が確認された。また、回復期の患者の血清では、急性感染期に比べてウエットランドウイルス抗体の価が著しく高かったという。



マダニ媒介の感染リスク

マダニは、蚊に次ぐ第二の主要な感染症媒介生物であり、多くの病原体を運び、拡散させる能力がある。皮膚に食い込み、吸血を行う特性があることから、ほとんどの場合は痛みやかゆみなどの自覚症状がないことが多く、その場で咬傷を確認するのが難しいこともある。もしマダニに噛まれた場合、自力で無理に引き抜くことは推奨されない。口器が皮膚内に残ると、皮膚感染や破傷風を引き起こす恐れがあるからだ。

また、手でマダニを潰してはならない。マダニが吸血した血液が逆流し、傷口に入り、病原微生物が感染するリスクがある。そのため、マダニが皮膚にくっついていると気づいた場合は、慌てずティックツイスター(Tick twister)のようなダニ取り器具を使って除去するか、最寄りの医療機関で専門の医師に処置してもらうのが望ましい。


注意したい感染症

マダニを媒介とする感染症にはWELVのほかにも注意しなければならないものがいくつかある。以下、代表的なものを列挙しよう。

◉血小板減少を伴う重症熱病症候群(SFTS):

新型ブニヤウイルス感染による急性伝染病で、マダニ媒介の感染症の一つであり、中国で初めて発見された新興感染症である。主な症状は発熱で、体温は38℃以上に達し、重症では40℃以上に至る。末梢血中の血小板と白血球が減少し、疲労感、吐き気、嘔吐などの症状が現れる。また、一部の患者には頭痛、筋肉痛、下痢などが見られる。

◉森林脳炎(ダニ媒介脳炎):

森林脳炎ウイルスによる自然発生の急性中枢神経系感染症。主な症状は発熱(39.5~41℃)、全身の中毒症状、意識障害、精神障害、筋肉麻痺および臓器損傷などである。

◉ライム病:

ボレリア・ブルグドルフェリによる神経系感染症。初期症状は移動性紅斑で、標的形や「牛の目」形を呈し、その後、神経系や心血管系の損傷が現れる。後期には関節の損傷が特徴的である。

◉その他の細菌性疾患:

マダニは媒介者および宿主として、多くの細菌性疾患の感染経路における重要な役割を果たしている。例えば、ペスト、ブルセラ症、野兎病などはマダニに噛まれることで感染することがある。

(編集:耕雲)


 参考 




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