中国でMLBを観るならDouyinで!?漢字まみれの野球実況中継、「法官」とは誰?
中国では、MLBポストシーズンの各試合が抖音(Douyin)でライブ配信された。試合の解説は、野球のルールや用語、チーム名、選手名に至るまで全て中国語で行われた。漢字だらけの“棒球”ワールドに面食らう日本人は少なくないことことだろう。
中国でもMLBの試合がライブ中継
米メジャーリーグのナショナル・リーグ西地区のポストシーズン(季后赛)第5戦はドジャース(洛杉矶道奇)に勝利の女神が微笑んだ。ワイルドカード(外卡赛)を勝ち抜いてきたパドレス(圣迭戈教士)を3勝2敗で下しリーグ優勝決定戦に駒を進めている。熱戦の様子は抖音(Douyin)のライブ中継でリアルタイムに伝えられた。
中国は野球不毛の地とさえ見なされることもあっただけに、MLBの試合がリアルタイム観戦できるのは感慨深いものがある。MLB関連の情報発信頻度は高まっており、コンテンツへのアクセス数も確実に増えている。野球の普及事業に関わる運営組織(视频号【棒球未来社】)の関係者は、中国の野球市場を「穏やかながら成長を継続、いっそうの普及に手応え」ありとコメント、将来性に期待を寄せている。
中国語の野球用語は難しい?
さて、野球が盛んな台灣のみならず、中国本土で行われる野球報道は、当然のことながら全ての情報が漢字ずくめとなる。繁体字であれ簡体字であれ、日本人が解読に手こずるのは必至だ。
野球は「棒球(bàng qiú)」、本塁打は「全垒打(quán lěi dǎ,全壘打)」というのはまだ序の口だ。ホームランの本数は「轰(hōng,轟)」、メジャーリーグは「美国职棒大联盟(MLB,美國職棒大聯盟)」、ナショナル・リーグは「国家联盟(guó jiā lián méng,國家聯盟)」、アメリカン・リーグは「美国联盟(měi guó lián méng,美國聯盟)」と中国語訳されていることにも違和感はない。
「法官」「达比修」って誰?
ところが、MLBを構成するチームの名称や、選手の名前がオール漢字で表記されると、とたんハードな問題となる。音訳と意訳が混在していることに戸惑うことも多いだろう。ドジャースは「道奇(dào qí,道奇)」だが、エンジェルズは「天使(tiān shǐ,天使)」、パドレスも「圣迭戈教士(shèng dié gē jiào shì,聖迭戈教士)」といった具合だ。
選手名を見てみると、ダルビッシュ有は「达比修有(dá bǐ xiū yǒu,達比修有)」となる。一方、ホームランバッターのアーロン・ジャッジ(Aaron James Judge)は「阿伦·詹姆斯·贾奇(ā lún zhān mǔ sī jiǎ qí,阿倫·詹姆斯·賈奇)」のほかに、「法官(fǎ guān,法官)」と呼ばれることもあるが、あくまで中国本土に限定された意訳である可能性が高い。
「楽天」は中国で「楽天」にあらず!?
日本のプロ野球のチーム名についても、表記の壁にぶつかることがある。たとえば、「千葉ロッテマリーンズ」は、台灣では「千叶罗德海洋队(qiān yè luó dé hǎi yáng duì,千葉羅德海洋隊)」と表記されるが、ロッテといえば中国では「乐天(lè tiān,樂天)」というのが相場だ。日本の「楽天」が創業するよりも前に、ロッテによる「乐天」の商標登録が行われていたことが背景にある。
「楽天」は中国本土において「乐酷天(lè kù tiān)」という名称で事業展開してきた。となると、「東北楽天ゴールデンイーグルス」は、「东北乐酷天金鹫(dōng běi lè kù tiān jīn jiū,東北樂酷天金鷲)」と表記するほかないのだろうか。かくしてチーム名に「クール(酷)」を加えることは、ともすればブランド認知の上で「過酷」な道を辿ることも覚悟しなければなるまい。(編集:耕雲)