ストップ“いっちょ残し”!日本でも「光盤行動」、10月30日は「食品ロス削減の日」
「光盤行動」は中国で食品ロス削減を目的に始められたムーブメントだが、日本でも10月を「食品ロス削減月間」に定め、啓蒙活動が強化されている。「30・10運動」の普及とともに、宴席での“いっちょ残し”の習慣も次第に減少していくことになるかも知れない。
「世界食料デー」と「光盤行動」
10月16日の「世界食料デー」に前後して、中国では14日から20日までの間、「光盤行動(光盘行动、guāng pán xíng dòng)」のキャンペーンが強化されていた。「光盤行動」は、年間数千万人分の食料に相当するともいわれた「食品ロス」の問題に対処するために2013年から開始されたもので、「光盤」とは食べ残しがなくきれいになったお皿を意味する。
この全国レベルのムーブメントがとくに注目を集めたのは2020年のときだ。店内の目立つ場所に「光盤行動」を促すスローガンが張られ、宴席では料理の注文数を「人数マイナス1」に抑える節約行動が推奨された。翌2021年4月24日に開かれた全国人民代表大会常務委員会では「反食品浪費法」が可決し、同月29日から施行されている。同法では、食品浪費を防止するために、飲食サービス事業者が消費者に適切な量の注文を促すように求めている(第7条第2項)。
日本でも「食べ残しゼロ」推進へ
食品ロス削減に向けた取り組みは、日本でも強度を増してきたようだ。2019年(令和元年)10月に制定された「食品ロスの削減の推進に関する法律」(略称:食品ロス削減推進法)の第9条では、10月は「食品ロス削減月間」に、10月30日は「食品ロス削減の日」にそれぞれ定められており、啓発活動が本格化しているのが昨今の状況だ。
環境省は公式サイトで消費者庁や農林水産省と連携した取り組みを強化する方針を示しており、食べ残した料理の持ち帰りを促す際に活用が可能な資材として「mottECO(もってこ)」ロゴの普及を図っている。一方、厚生労働省は、料理を持ち帰る際のリスクと注意点を食中毒防止の観点から提起し、生ものを避けることや適量注文、小分けメニュー活用の推奨などのガイドラインを提示した。
地方発の「30・10」運動が全国展開
ちなみに10月30日が「食品ロス削減の日」に定められた背景には長野県松本市の取り組みがある。同市発祥の「残さず食べよう!30・10(さんまる いちまる)運動」では、宴会時に「乾杯後30分間」席を立たず料理を楽しみ、「お開き前10分間」に再度食事をすることで、食べ残しを減らすように呼びかけた。
その後、他の自治体もこの運動に追随し、栃木県の「食べきり15(いちご)運動」(宴会の始めと終わりの15分を食事タイムに設定)、富山県の「3015運動」(立山の標高にちなみ、15日と30日に冷蔵庫の食材の消費期限チェックを喚起)など、各自治体ごとにアレンジを加えた運動も繰り広げられていく。
「いっちょ残し」をどう回避?
食品ロス削減が徹底されていくと、気になるのは“大皿などに最後に1つだけ残った食べ物”への対応だ。日本では各家庭や学校で「(ご飯は)一粒残らず食べるように」と子どもを躾ける一方、宴会等では最後の料理を残すことが慣習となっている地域が少なくない。たとえば「南部の一つ残し」「津軽衆」(青森県)「関東の1つ残し」「遠慮のかたまり」(関西)「肥後のいっちょ残し」(熊本県)といった具合だが、「食品ロス削減」の観点からいうと、もはや美徳とは言い難い時代に差し掛かっているかも知れない。
そこで、アルコールの瓶に残った最後の一滴を「发财酒(fā cái jiǔ)」(お金が貯まる酒)といって相手に勧める文化が中国にあることに注目したい。残った料理はさしずめ「发财菜(fā cái cài)」(お金が貯まる料理)といったところだろうか。食べ残された不人気の料理でも、「残り物には福がある」とばかり持ち帰りを勧め合うのも有意義なことではないだろうか。(編集:耕雲)
参考
中华人民共和国反食品浪费法_滚动新闻_中国政府网
令和6年度食品ロス削減月間について | 報道発表資料 | 環境省 (env.go.jp) 飲食店で食べきれなかった料理を持ち帰る際の留意事項|厚生労働省 残さず食べよう!30・10(さんまる いちまる)運動 - 松本市ホームページ (city.matsumoto.nagano.jp) 遠慮のかたまり - Wikipedia