新型コロナまだ終わらず、FLiRT変異株「KP.2」亜系統が複数国で拡散中
新型コロナウイルスの流行はまだ終息していない。米国の下水道で初めて発見されたFLiRT(フラート)変異株の亜系統「KP.2」が、米国、カナダ、英国、シンガポールなど複数の国で感染者数を急増させており、動向が注視されている。「KP.2」の感染状況や脅威レベルに関する報道を元に、ポイントを整理しておこう。
元を辿ると米国の下水道?
「FLiRT(フラート)」と総称される新型コロナウイルスオミクロン変異株の第3世代亜系統の一種、「KP.2」の感染者が増加している。「FLiRT」は当所、米国の下水道で発見され、その後、突然変異によりウイルスのスパイクタンパク質が変化した「KP.2」が2024年1月2日にインドで初めて確認された。その後、感染スピードは著しく、米国、カナダを始め、多くの国で拡散している事態に警戒が強まっている。
KP.2変異株の症状と特性
KP.2変異株に感染した場合の症状には、喉の痛み、鼻詰まり、せき、高熱などがある。特に、嗄声(させい)、手足の冷え、鼻水が一般的であり、症状が重くなる場合も少なくない。初期データによれば、感染後の経過はJN.1と似ていて、味覚や嗅覚の喪失、時には消化器官でも症状を引き起こすという。
手強いのは、従来の感染やワクチンによる免疫を回避する能力を示していることだ。シンガポールのネットメディアは、過去数度のワクチン接種が予防に役立たなかったとする感染者の声を紹介している。
シンガポールでも感染急増
KP.2変異株は特に米国とカナダで拡散が顕著で、感染症例の4分の1以上を占めているとされる。英国でもKP.2とKP.1.1が症例の40%を占め、主流の流行株の地位を占めつつある。そのほかシンガポールで新規感染者が急増しているほか、タイでも13人の症例が確認されたという。
中国本土ではJN.1、JN.1.16、JN.1.4が主流の流行株となっており、広東省で初めてKP.2が検出されたのは3月11日のことだ。その後、5月12日までに合計25件のKP.2系列が検出されている。毎週報告される国内の固有の配列に占めるKP.2の割合は0.05%から0.3%の間であり、非常に低い水準にとどまる。そのため、中国疾病予防管理局(国家疾控局)はKP.2が中国で短期間のうちに主要流行株となって新たな感染ピークを引き起こす可能性は低いとした見解を示している。
効果的な予防措置は?
世界保健機関(WHO)は、JN.1からの変異と新たな変異株の出現に備え、継続的な監視と研究の重要性について強調してきた経緯がある。3日にはKP.2を「監視が必要な変異株」にも指定している。
KP.2変異株に対する予防策は他のオミクロン変異株と同様で、良好な個人衛生習慣の維持、科学的なマスクの着用、健康的な食事、そして免疫力の向上が推奨されよう。高齢者や免疫力が低下している人々には個人レベルの防護には特に配慮が求められる。(編集:耕雲)
参考