中国で“閉店ラッシュ”が加速、暗躍する「職業閉店人」とは?
中国では現在、「閉店ラッシュ」がさまざまな業態で顕在化している。スポーツジムや文化教室が予告なく閉店し、消費者の権益が損なわれることも少なくない。一方、「職業閉店人」が関与するケースが社会問題化しており、前払い型消費の際には慎重な判断が求められる。
「閉店ラッシュ」が顕在化
中国のミドルレンジとハイエンド市場で「閉店ラッシュ」が顕在化している。最近では、北京市朝陽区にある独BMW車の著名販売店「北京星徳宝」が突然休業した。ポルシェも販売不振を受けて現地ディーラー網を大幅に縮小する方針を固めたとされる。
加えて、ジムや教育・研修機関などサービス業施設の閉鎖が増加。5月には北京で高級フィットネスジム「Space」が閉店し、多くの会員が多額の損失を被る結果となった。これらは経済環境の悪化や消費低迷、競争激化が主因とされ、消費者の購買習慣の変化も背景にあると見られている。
大規模閉店が相次ぐ
上海では大手スポーツジム「WILL'S(威尔仕健身)」が長寧区や浦東区など複数の店舗を閉店して衝撃を与えている。会員にが会員カードの返納を求めた場合は30%の手数料が差し引かれるとされ、消費者からは補償が不十分でないことに不満の声が上がっている。
さらに児童向け教室「東方童画」が予告なく閉店し、未履修授業料の返金が保証されるか明らかにされておらず、保護者や生徒に大きな混乱が広がっている。同教室は上海市内に20店あまりの直営店を運営していたが、閉店前日まで平常に講座を開いていたという。
「職業閉店人」の暗躍
こうした閉店ラッシュの中で、「職業閉店人」と呼ばれる存在が注目されている。「職業閉店人」とは、経営不振にある事業者を支援し、閉店計画を立案して債務返済を回避するための処理を行う“閉店請負プロ”のことだ。
彼らは、経営者と結託し、入会キャンペーン等のプロモーションを実施する。消費者から前払いで利用料を徴収した後、法定代表者を返済能力のない人物に変更し、閉店後の苦情や訴訟対応を引き継ぐという。元代表者は逃亡し、新しい代表者には返済能力がなく、消費者が補償を勝ち取るのは極めて困難だ。
消費者保護のための対策と注意喚起
こうした「職業閉店人」の手口を中国消費者協会も問題視し、消費者に注意を喚起する。割引率の高さをうたうプロモーションには惑わされず、前払い消費を行う際には慎重に対応するように呼びかけている。具体的には、書面での契約締結と取引の証拠保存を心がけ、閉店時には証拠をもとに関連部門へ適切に苦情を申し立て、必要に応じて法的措置も検討するように助言する。
なお、北京市市場監督管理局は10月22日、同市公安局経済捜査部門と連携し、「職業閉店人」による違法閉店事案を全国で初めて摘発した。摘発されたのはアート・工芸教育に携わる2社で、それぞれ違法な資産移転や虚偽登録が確認された。市場監督管理局は2社に合計65万元(約約1,394万円)以上の罰金を科し、関与した9名に3年間の市場主体登録禁止を命じた。消費者権益の保護に向けた監視体制の強化が期待されている。(編集:耕雲)
参考