高速鉄道の“コスパ”をどう見なす?一部路線が来月から2割値上げへ
南方日報等の報道によると、中国では2024年6月15日から高速鉄道路線の運賃が改定される。4つの路線で通常運賃が約20%上昇する一方、運行シーズンや客足によって割引運賃を設けるなど変動料金体系が採用される見通しだ。
新幹線との“タイパ”比較
中国の高速鉄道は日本の新幹線より速い速度で運行されている。平地での走行が多いこともあって、最高時速350キロで走行される区間は珍しくない。その結果、区間距離が約1000キロの広州南-武漢間を結ぶ「復興号」を例にとると、所要時間は最速約3時間40分だ。同距離の東京‐新山口が4時間20分かかるため軍配がどちらかに上がるかは明らかだ。
ただし、中国の高速鉄道は乗降車に時間がかかる。空港ターミナルのような巨大なハブ駅で構内では面倒なセキュリティーチェックもある。改札をくぐり抜けてもすぐにはホームに入れず、待合室での待機も強いられるなど機動性に欠く。その点、乗り換えも手軽な新幹線のほうが利便性でも優れているというのが実感だ。
2割値上げで“割安感”消失?
中国高速鉄道が新幹線より魅力的だとしたら、それは“タイパ”(タイムパフォーマンス)よりも“コスパ”の面である。たとえば、先ほど提示した武漢-広州南と東京-新山口の区間の料金を比較してみると、為替が大きく円安に振れている昨今であっても、5月6日現在、前者(二等席)は円換算で1万円程度だ。対して日本の新幹線は2万円(運賃および自由席特急料金、IC料金)を超えるため、約2倍の差がある。
しかし、そんな“割安感”も来月からは少しばかり目減りする。南方日報等が報じたところによると、2024年6月15日に中国高速鉄道の料金改定が行われ、4路線で運賃が値上げになるという。武漢-広州南の区間の二等席は463.5元から553元に、上海虹橋ー杭州東の二等座席の料金は73元から87元にそれぞれ改定される予定だ。そのほか杭州東-長沙南の区間の二等席は405元から485元に、杭州東-寧波の二等座席の料金は71元から85元に値上げされる。値上げ率はいずれも20%近くになる。
“格安乗車券”の選択肢も?
ただし、割引率45%を上限とした“格安”料金で購入できる選択肢も用意されるという。たとえば武漢駅から広州南駅までの二等座の最低運賃は304元と、現行料金(463.5元)より34%も安い乗車券も提供される見通しだ。杭州東‐長沙南についても最も安い料金の列車が267元に設定されるといわれ、こちらも現在の料金より約34%安くなる。
中国国家鉄路集団は、運賃改定を高速鉄道サービスの品質向上を目指すうえでの措置と説明しており、運行シーズンや客足の状況にもとづき、柔軟な割引を適用する変動運賃体系が採用される予定だ。(編集:耕雲)
参考