急がば止まれ!中国の地下鉄でもエスカレーターの「片側空け」に“禁止令”
中国の主要都市の地下鉄駅で、エスカレーターの「片側空け」マナーが消滅しようとしている。安全を優先する新しい習慣として浸透が図られているのが「歩かずに乗ろう」だ。このほど成都市の地下鉄でもこの呼びかけが始まり、ネットで議論を呼んでいる。日本国内のエスカレーター利用事情も織り交ぜながら、今後の展望を探ることにしよう。
空けるのは左?それとも右?
エスカレーターを利用する際に立ち位置が東京と大阪で異なることに興味を持つ人は少なくないだろう。東京で左側に立つ習慣が浸透している理由には、「刀の鞘を腰に差していた時の名残り」とする“サムライ起源説”や「歩行者は右」という”交通ルール説”がある。
一方、関西では右側に立つのがスタンダードだ。この習慣が定着した背景説明にも諸説があり、たとえば商人が胸元に入れた財布をスリから守るためとする”商人文化説”、阪急梅田駅で「お歩きになる方のために左側をお空けください」というアナウンスが流れ始めた1967年が始まりだとする”阪急梅田駅起源説”がある。また、1970年が契機だったとする”大阪万博説”もよく知られるところだろう。
この話題はネットでも多くの情報が共有されているので、興味がある方は調べてみるとよいだろう。だが、一つ言えるのは、国際的に主流とされている「右に立ち左を空ける」大阪方式を採用しているのは日本国内でも関西圏にとどまっていることだ。
変貌するエレベーター利用の常識
さて、エスカレーターを利用する際に片側を空けて立つ習慣が、次第に通用しなくなってきたのが昨今の趨勢である。エスカレーターでの歩行を禁じようとする動きは確実に広がりを見せている。背景にはエレベーターを歩くことの安全面でのリスクが指摘されるようになったためだ。
急いでいる人がエスカレーターを駆け上がれば、バランスを崩して転倒したり、他の利用者に衝突したりするケースも想定される。そのため、日本国内の地下鉄駅では、「手すりを持って」「立ち止まってご利用を」「歩いたり、走ったりしないでください」「2列で立ち止まってご利用ください」といったアナウンスが一般的になっているわけだ。
「急がば歩くな」が “新常態”
中国国内での動きも日本と共通している。上海など国際交流が盛んな都市では、これまで「右に立ち、左を空ける」がエスカレーター利用時の暗黙のルールとして定着しつつあったが、事態は急変している。駅構内に張られたエスカレーターの利用指南では、明らかに利用中に歩くことは禁じられているのだ。
エスカレーターを歩くことは一見効率的に見えるが、実際はそうでもない。エスカレーターは2列で立って乗るほうが混雑時の移動効率が高まるというデータもある。また、安全面でも、片側を“追い越し”用に空けることでエスカレーターにかかる負荷が左右不均等になる。それが摩耗を早めたり故障の原因になるという指摘もある。
分かってはいるけどやめられない?
ただ、エスカレーターで「歩かない」ことが安全性と効率性の向上のうえで意義があると説かれても、長年「マナー」として叩き込まれてきたことと真逆の行動をするのは難しい。“追い越し”用と見なしてきたスペースに微動だにせず立っているのはやはり気が引ける。後ろから“あおり昇り”してくる人がいればなおさらだ。
となると、利用者の意識を変え、新たな習慣を根付かせるには明文化された「ルール」の強制しか道がないのではないかとさえ思えてくる。あるいはインパクトが大きなイベントで習慣転換の空気を醸成させることが必要だ。期待できるとしたら来年に開催が予定される大阪万博だろうか。55年ぶりのマナー変革への道ーーもしかしたら、万博会場では「お急ぎの方は階段をご利用ください」というアナウンスが流れることになるかも知れない。(編集:耕雲)
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