広州地下鉄、“空港並み”の厳格検査導入で混雑、旧ルール復活で影響は収束か
12月8日、広州市の地下鉄で新しい保安検査ルールが導入され、翌9日の朝ラッシュ時は駅構内が大混雑した。厳格なチェック体制が「空港並み」と評される中、夕方には従来の検査方法に戻り、混乱は一段落。新ルールが一時的な措置なのか、それとも今後も続くのか、注目が集まっている。
新ルールの導入とその反響
広州地下鉄は12月8日、保安検査(通称“安検”)の新ルールを導入した。翌9日朝のラッシュアワーにその影響が顕著に現れた。改札口はこれまでになく混雑し、普段ならスムーズに通過できるはずの駅で長蛇の列ができた。利用者たちは突然のルール変更に戸惑い、不満の声を上げる者も少なくなかった。
新ルールの基本原則は、簡潔ながら厳格である。乗客の持ち物はすべて検査機に通される仕組みがとられる。従来のプロセスでは、乗客が携帯するバッグが小型のものなら検査機器を通す必要はなく、バッグの中を保安スタッフに見せるだけでよかったが、新ルールのもとでは目こぼしが効かない。検査機器の警報が鳴った場合は検査員が手動で荷物を再確認するため、改札を通り抜けるまで時間がかかる。
夕時には以前のルールに
9日朝の広州地下鉄は日常的な通勤・通学に支障をきたし、混乱を極めていたと想像するのは容易い。SNSでも駅が混雑する様子が大きく取り上げられ、”空港並み”の厳しい検査ルールが物議を醸すこととなった。しかし、南方日報や新快報の報道によると、夕方の帰宅ラッシュ時には検査プロセスが従来の方法に戻っており、各駅の混雑は解消されていたという。
いささか一貫性に欠ける面があり、"朝三暮四"の印象すら抱かせるが、新ルールの導入が中止されたのか、それとも再開の可能性が残るまま一時的に停止されただけなのかは不明だ。10日朝のラッシュ時も旧ルールで保安検査が行われ、駅構内の混乱は見られていなかったことだが、引き続き状況を注視する必要がありそうだ。
大規模イベントと安全対策
中国の大都市の軌道交通では、2008年北京オリンピック、2010年上海万博、広州アジア競技大会など大型イベントの開催が契機となり、保安検査が厳格化された。今回、保安検査の新ルールが発表された8日は広州マラソンの開催日であり、大規模な人流を見越しての措置だったとも考えられている。
しかし、保安検査にはいつも賛否両論がありネットでも議論の的となる。高額な設備投資や人員配置といった運営コスト面でのデメリットはもとより、検査プロセスそのものが駅構内の混雑を引き起こし、かえって安全性を低下させるとの懸念もある。あるいは検査機器が発するX線が健康に影響を与えないかと心配する声も上がっている。

保安拒否の罰則は軽くない
一方、安全な都市として高い評価があり、鉄道・地下鉄駅での保安検査を実施していない東京では、1995年の地下鉄サリン事件や2021年の京王線“ジョーカー事件”など重大事件が発生したことがある。利便性の確保と実効的な安全対策のバランスをどう取るかは国、都市を問わず大きな課題となる。
ちなみに、「中華人民共和国治安管理処罰法」によれば、保安検査を拒否して改札を通ろうとした場合、最大200元(約4,000円)の罰金が科される。状況によっては、10日間の拘留と500元(約10,000円)の罰金が科せられることもある。液体類を携帯している場合には、事前にバッグから取り出し、検査を求められた際には協力しなければならない。(編集:耕雲)
❖駅構内への物品の持ち込み規定
❖持ち込みが禁止されている物品
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参考


