ビジネス
2025-01-07

哲学思想を秘めた日本企業名8選、『臘八節』にちなむブランドも

日本


企業名や製品名には、創業者の熱い理想や独自の哲学が宿っている。古今東西の思想や古典が織り込まれ、しばしば人々の心を揺さぶる物語が潜んでいることもある。今日は旧暦12月8日、臘八節(ラーパージェ)。この伝統行事との奇妙な縁が見え隠れするブランドの話題にちなみ、奥深い思想を名前に秘めた日本企業をピックアップした。


臘八節の由来と風習

2025年1月7日は旧暦12月8日、臘八節に当たる。中国では旧暦の12月のことを"臘月(腊月、ラーユエ)"と呼び、その8日目を春節(旧正月)に向けた準備の幕開けとしている。この日に中国の風俗として食されるのが「臘八粥(ラーパージョウ)」と呼ばれるもので、もち米、アズキ、ハスの実、ナツメ、落花生など通常8種類の穀物や豆類が入る。

この臘八粥には数多くの伝承が付随する。明朝の皇帝・朱元璋が牢獄で粥を煮て命をつないだ逸話や、万里の長城を築いた労働者たちが粥で飢えを凌いだという話だ。いずれも忍耐や助け合いを象徴したストーリーであり、腊八粥を通して豊作を感謝し、健康と幸福を祈る風習へとつながっていったとされる。

🔗“鬼滅”の小豆!?や朱元璋まで―――諸説ある「腊八節」の由来


釈迦の悟りとスジャータの伝説

温かい一杯の粥に秘められた伝承の極めつけといえば、仏教にまつわるエピソードだ。釈迦がスジャータから乳粥を献上され、悟りを開く契機となった逸話はよく知られているところだ。日本ではこの逸話に由来する「成道会(じょうどうえ)」と呼ばれる法要が毎年12月8日に行われている。

興味深いのは、この逸話を製品名に取り込む企業まであることだ。コーヒー用ミルク(関西での呼称は「フレッシュ」)の草分けブランドである「褐色の恋人 スジャータ」は、コーヒーのおいしさを引き立てる製品の魅力を訴求しながら、温かさや人間味を消費者に伝えるネーミングの成功例といえそうだ。


企業名に秘められた哲学・思想

そもそも企業や製品の名称は単なる記号ではなく、創業者の思想や哲学が色濃く投影されるものだ。仏教や中国古典、西洋哲学に基づく深い意味を持ち、企業の理念や目的を表現したものも少なくない。「キヤノン」は観音菩薩にちなみ、「カルピス」は仏教の五味に着想を得ている。スジャータュの話題にちなみ、理想追求の理念が一層親密に感じられる日本企業名の例をいくつか挙げておこう。(編集:耕雲)

❖哲学思想を秘めた日本企業名8選

<仏教思想を映した企業名>

①スジャータめいらく(Meiraku,日照名酪)

「スジャータ」は布施と慈悲の象徴で、「めいらく」は「明るく楽しい会社」を目指す理念を表す。食品事業を通じて社会に貢献するという企業理念が込められている。

🔗 スジャータめいらく: https://www.sujahta.co.jp

②キヤノン(Canon, 佳能)

前身の精機光学研究所が1934年に試作したカメラ「観音(Kwanon)」にちなむ。観音菩薩の慈悲にあやかり「世界最高のカメラを」という願いが込められている。

🔗キヤノングローバル: https://global.canon

③カルピス(Calpis, 可尔必思)

名称は「カルシウム」とサンスクリット語の「サルピス(精製バター)」を組み合わせたもの。仏教の五味(乳、酪、生酥、熟酥、醍醐)に着目した創業者の三島海雲氏の着想が光る。

🔗カルピス株式会社 : https://www.calpis.info

④ミツトヨ(Mitutoyo, 三丰)

「三豊(ミツトヨ)」の名称は仏教用語「三宝(仏・法・僧)」の三つに加え、儒教の「天・地・人」、または「智・仁・勇」といった三つの組み合わせに由来。創業者は仏教伝道のために事業を起こした。

🔗ミツトヨ株式会社: https://www.mitutoyo.co.jp

<中国古典からの着想>


⑤資生堂(Shiseido, 资生堂)

『易経』の一節「至哉坤元 万物資生」から命名。「大地の徳はなんと素晴らしいことであろうか、すべてのものはここから生まれる」という自然の恵みと調和を重んじる理念を体現している。

🔗資生堂株式会社 : https://www.shiseido.com

⑥バンダイ(Bandai, 万代)

「萬代不易(ばんだいふえき、永遠に変わらないこと)」という古典の言葉に由来。創業者の「いつの世でも人々の心を満たす商品を」という願いを企業名に託している。

🔗バンダイ株式会社 : https://www.bandai.co.jp

<古代ローマに遡る思想>


⑦アシックス(ASICS, 亚瑟士)

古代ローマの詩人ユウェナリスによるラテン語のフレーズ、「Anima Sana In Corpore Sano(健全な身体に健全な精神あれかし)」を基に命名。スポーツを通じて健康的な生活を支援する使命が反映されている。

🔗アシックス株式会社: https://www.asics.com

⑧ベネッセ(Benesse ,倍乐生)

日本には多岐にわたる業界でラテン語を企業名に反映した例が見られており、ベネッセもその一つ。ラテン語の「bene」(良い、適切に)と「esse」(生きる、暮らす)を組み合わせた造語であり、「良く生きる」や「よい暮らし」という理念を体現したものとなっている。

🔗ベネッセコーポレーション:https://www.benesse.co.jp/

 参考 

  • 資生堂や積水化学、「古典」に由来する有名企業の社名秘話|NEWSポストセブン

  • あの企業も!仏教に関係する会社名 | お坊さんの知恵袋




この記事をシェアする

関連記事

ビジネス

年初から日本企業を直撃、中国と上海の“新法・規制2025”をピックアップ

2025-01-06

中国日本上海+1
ビジネス

日本企業の奮戦から読み解く、2024中国ビジネストレンド10大トピックス

2024-12-31

中国日本ビジネス
ビジネス

『今年の漢字』30周年、「金」が映す光と影、企業選出トップは「変」に!

2024-12-13

日本文化