暖冬でも「三九節」到来、冬本番に立ち向かう伝統と習慣に注目
暖冬が続く近年。それでも1月8日から「三九節」に突入すると寒さが本格化してきた。中国の農暦に基づくこの時期は、厳しい冬を乗り越えるための知恵と習慣が重要になる。「三九節」に見られる中医学や食文化における役割が再認識したい。
今年も“暖冬”更新予測
世界保健機関(WHO)等の予測によれば、2025年の世界の気候は最近3年間の中で最も暑くなるという。温暖化の影響を背景に、2024年の世界の地表平均温度は産業化前(1850~1900年)の水準より1.49℃高かったことが示されており、1991~2020年の平均値より0.61℃上回ったとされる。2023年6月から2024年6月にかけての13か月間、世界の平均温度は最高記録を更新し続けていたことも注目される。
中国国内でも同様の傾向が見られ、中国気象台の発表によれば、2024年には22の省区市で平均気温が最高記録を更新し、1961年以来最も暖かい年となった。観測史上2番目に暖かい年は2023年、3番目は2021年、4番目は2022年であり、上位4年間が最近の4年に集中している。21世紀に入って以降は気温上昇が顕著になっており、今後も温暖化が続くと予測されている。

三九節は寒さの極み
とはいえ、中国の農暦は季節の変化を正確に反映しているようだ。昨日1月8日から「三九節」に突入すると、寒気の影響で全国の主要都市の気温が軒並み低下している。「三九節」は冬至から9日ごとに数えた3番目の期間を指し、中国の伝統的な農暦では「四九」とともに最も寒い時期とされている。
この期間に中医学にもとづいた療法として広く用いられているのが「三九貼」だ。身体に温熱効果のある薬草を使った絆創膏を背中に貼る療法であり、体質を改善し、冷えを防ぎ、体内の気血の流れを促進することで、寒冷環境での症状(過敏性鼻炎や気管支喘息など)を緩和する効果があるとされている。
「温補」にもとづいた健康法
一方、食事についても『温補(おんぽ)』(※)を意識した料理が推奨される。鶏肉や羊肉を使ったスープや、辛味のある生姜やニンニクを加えた料理などだ。中医学では『寒気は五臓を害す』と言われていることから、身体を内側から温めることで冬を乗り越える力を養うという考え方が基本となる。
日本にも冬至にかぼちゃを食べる習慣や、ゆず湯に浸り身体を温めることがある。「寒中見舞い」を知己に宛てるなど季節的な行事も存在しているが、三九節のような『温補』にもとづいた健康法を実施する風習はあまり一般的ではないかもしれない。
「九九」に至る道は遠い
興味深いのは、中国では『数九節気(すうきゅうせっき)』と呼び、冬至の日から『九』を単位として気候の変化を追う指標が古くから確立されていることだ。日本では松の内を過ぎてしまったが、中国では『もういくつ寝るとお正月』という雰囲気がこれから色濃くなってくる時期だ。
とはいえ春の訪れに至るにはまだ序盤戦。さしずめ『九九』の覚え始めの段階といったところだろう。寒さを乗り越えるための知恵と温かい習慣を大切にしながら、冬の厳しさを乗り越えていきたい。(編集:耕雲)

❖数九節気:越冬・年越しに至る道
一九二九不出手:
意味:冬至から数えて最初の18日間(1月上旬)は非常に寒く、手を外に出せないほどの冷え込みを示している。
三九四九冰上走:
意味:三九と四九は、気温がさらに下がり、河川が凍結し、氷の上を歩けるようになることを表している。
五九六九沿河看柳:
意味:五九(立春を含む時期)と六九(立春後の期間)は、気温が少しずつ上昇し、柳の芽が出始める頃である。この時期に人々は河川沿いで柳を見ることができるようになる。
七九河开,八九雁来:
意味:七九では河が解け始め、八九では雁が南から戻ってくることを示している。これにより春の訪れを感じることができる。
九九加一九,耕牛遍地走:
意味:九九(冬至から81日目)を迎えると、春が本格的に始まり、農作業が行われるようになる。耕牛が田畑で働く様子が描かれている。

参考
冬季三九貼有效嗎?2024~2025三九貼時間日期、原理功效一次了解 - 療日子 HealingDaily -健康新聞
22日は冬至 春の到来指折り数える「数九」がこの日よりスタート--人民網日本語版--人民日報
世卫组织预测 2025 年将成为全球最热的三年之一 - Sigma Earth
见证历史!2024年全国平均气温创纪录_腾讯新闻