“金持ちコーヒー・貧乏コーヒー”、競争激化でも続く異業種参入の波
中国のコーヒーショップ市場は、国内外ブランドがシェアを競い合う激戦区となっている。瑞幸(ラッキンコーヒー)、庫迪(コッティコーヒー)が低価格キャンペーンを積極的に展開するなか、中堅ブランドや独立系ショップの閉店が相次ぐ。一方、異業種からの新規参入の波が止まらない。
低価格キャンペーンの衝撃
中国のコーヒーショップ市場では、瑞幸(ラッキンコーヒー)、スターバックス、庫迪(コッティコーヒー)、スターバックスなどのブランドが急速に店舗数を増加させており、特に低価格戦略を採用する瑞幸や庫迪が注目を集めている。例えば、瑞幸は1杯9.9元(約200円)、庫迪はさらに安い8.8元(約170円)という価格を掲げ、消費者のリピーター獲得に成功している。
これらの低価格コーヒーはネットで「窮珈琲(低価格コーヒー)」と呼ばれ、消費者にとって魅力的な選択肢となっている。「窮」は貧乏を意味するが、あくまでスラングであり、「リーズナブル」の意味と理解してよい。しかし、市場に攻勢をかけ売上増を実現しても利益が増加しないジレンマもある。単なる価格競争では持続可能な成長が難しい実状が見えてきそうだ。
瑞幸咖啡(左)の2024年第三四半期の財務報告では、新規に開業した店舗は1382店で、店舗数は2万1343店舗に達した。庫迪咖啡は開業からわずか2年で1万店舗を突破、28か国および地域で事業展開しており、今後3年間で5万店舗を目指す
中堅ブランドの閉店ラッシュ
スターバックスは「高価格帯コーヒー」のセグメントを代表するブランドであり(ネットスラングでは“富咖啡”の呼称が使われている)、価格競争からは一歩距離を置いている。地域特化型戦略や商品改良を通じてブランド価値の維持を図る動きが見られている。しかし、2024年第1四半期の財務報告では売上高が前年比で11%減少したと伝えられており、瑞幸などによる低価格コーヒーの攻勢の影響が伺える。
価格競争には参入しないスターバックス。それでも電子クーポンや期間限定の割引などで市場シェアをの維持を図っている
一方、価格戦争に巻き込まれ、より厳しい状況に置かれているのが、1杯20~30元(約420~630円)台で展開してきた中堅ブランドや独立系店舗である。これらの店舗は競争力を欠き、閉店に追い込まれる事例が増えている。ブラジルやベトナムでコーヒー豆の収穫量が減少し、世界的なコーヒー豆価格の急騰を招き、それが経営圧力の増加につながっているとされる。
中堅ブランドの不調としては、シーソー・コーヒー(Seesaw Coffee)がデリバリーサービスの導入遅れや消費者の価格志向の変化の影響も受け、2023年に40店舗を閉鎖したことが挙げられる。太平洋珈琲(Pacific Coffee)も採算性の見直しを受けて同年に114店舗を閉鎖した。コスタは2024年に97店舗を閉鎖。また、Mannerは当初新規開店を予定していた店舗数の目標を達していない。
異業種からの新規参入続く
このように中国のコーヒー市場は淘汰が激しいが、それでも異業種からの新規参入の波が続いている。2024年8月には電池大手の寧徳時代(CATL)が「寧咖啡(NING COFFEE)」を立ち上げ、コーヒーや茶飲料を提供し始めた。さらに、スポーツ用品ブランド「李寧(Lining)」や中国郵政、教育企業「猿輔導」、サプリメントの脳白金で知られる巨人集団などもコーヒー事業に参入しており、競争は激化するばかりだ。
こうした中、「富珈琲(高価格コーヒー)」の一角を担うPeet's Coffee(ピーツコーヒー)が低価格ブランド『Ora Coffee』を導入し、15元~25元(約300~530円)の価格帯で提供を始めたことが話題になっている。クーポンを使うことで、アメリカーノを9.9元(約200円)の割引価格で購入できる。低価格志向の消費者をターゲットにした戦略強化の方針がうかがえる。
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競争はますます激化、市場再編へ
中国のコーヒー市場は急成長を続けているが、価格競争や消費者の嗜好変化により、今後、市場再編が進んでいく可能性がありそうだ。低価格競争は消費者に選択肢を提供する一方、企業にとっては持続的な成長を難しくする要因となる。競争に勝ち抜くためには、差別化された製品や独自の体験を提供することがカギとなる。(編集:耕雲)
参考
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