上海で「職業教育」フォーラム、技術革新と産学・地域連携で描く“匠の世界”の未来
技術革新・産学連携・地域協力で職業教育の「中国式現代化」を目指すーーそんなテーマで5月19日に上海で開催された「2024年中華職業教育上海フォーラム」では、技術革新や産学連携、地域協力を基盤とした次世代に紡ぐ職業教育の意義と今後の展望について活発な意見が交わされた。「工匠精神(職人気質、匠の精神)」を尊び、技術革新、産学融合、地域協力を通じた「中国式現代化」職業教育の発展に向けた気運が高まっている。
「職業教育」に焦点
上海市閔行区にある上海中庚聚竜ホテルで5月19日、「2024中華職業教育上海フォーラム」が開催された。主催者は上海中華職業教育社で、上海市職業教育協会、華東師範大学職成教育所、上海市教育科学研究院職業教育所が協賛し、遠播教育グループが協力企業として名を連ねた。
上海市と江蘇、浙江、安徽各省の職業教育協会の代表、英国やフィンランドなどの在中国大使館員、長江デルタ地域の教育界の専門家、先端テクノロジーに従事する企業経営者ら約500人が参加した。
画像出所:上海中華職業教育社
「工匠精神」に脚光
フォーラムは午前の部と午後の部で構成され、午前の部では周漢民氏(全国政治協商会議常務委員、上海公共外交協会会長)が司会を務め、各専門家による基調講演とパネルディスカッションが行われた。
登壇者の一人、中国国産大型旅客機C919の開発に携わった胡双錢氏は、40年以上にわたるキャリアを踏まえ、「工匠精神」の重要性を強調した。周氏も「工匠精神が社会主義的近代化の推進を加速させ、核心的な競争力を強化する上で極めて重要である」と述べ、職業教育の重要性が高まる中、その精神を体現してきた胡氏に敬意を表した。
講演する胡双錢氏 画像出所:上海中華職業教育社
長江デルタで連携・統合へ
フォーラムでは上海市職業教育学会と上海市教育科学研究院が共同で「長江デルタ職業教育統合政策研究センター」の発足を発表した。長江デルタの総合的な発展において上海市が主導的な役割を果たし、長江デルタにおける職業教育の総合的な発展を目指す。
同エリアを構成する上海市、江蘇省、浙江省、安徽省の各職業教育協会の代表者によるパネルディスカッションも行われた。テーマは「上海市、蘇州市、浙江省、安徽省の各職業教育協会の長江デルタ統合協力の深化と発展」で、新時代における職業教育の位置づけと運営方法、さらには長江デルタにおける職業教育の連携と統合を見据えた実践アプローチについて知見が交わされた。
画像出所:上海中華職業教育社
産学連携や技術革新もテーマに
午後の部では会場が3つに分かれ、「長江デルタ職業教育を高品質に発展させる実践と探索:類型化、現代化、国際化との一体化」「職業教育における産学融合の探索と革新」「産業界の人材需要と職業教育の人材育成」といったテーマで、それぞれ同時進行で講演とディスカッションが実施された。
香港、マカオ、台湾、長江デルタ各都市の教育・産業界の専門家がそれぞれ知見を披露し、参加者からの質疑応答も交えながら互いの見識を共有した。また、会場ではクラウドコンピューティングやAIに関する教育プログラムのデモンストレーションも行われ、最先端テクノロジーによる職業教育の「進化」に向けた道筋が示されたこともハイライトの一つとして注目された。
参考
长三角职业教育高质量发展的实践与探索:类型化、现代化、国际化与一体化 (polyv.cn)
上海中华职业教育社简介 (weixinyunduan.com)