急増する外国人ドライバー、運転回避する永住申請者——日本の免許証の“値打ち”は?
「パスポート力」で世界トップ級の座にある日本だが、運転免許証の国際的な評価はどうなのだろうか。外国免許切り替え制度を利用する訪日外国人が増え、そのあり方をめぐって議論が活発化する一方、永住申請者の間では運転を控える動きも出ているという。
日本の運転免許、世界の順位は?
近年、日本ではマイナンバーカードの普及が進められているが、それに呼応するかのようにパスポートの「身分証明書としての値打ち」が陰りを見せてきた。対外的には強く、対内的には弱いという、皮肉にも内弁慶ともいえる状況が生じている。
そんな折、にわかに注目を集めているのが日本の運転免許証の存在感だが、国際的な立ち位置はどの程度なのか気になるところだ。「パスポート力」ランキングのように各国の運転免許証の“グローバルパワー”を格付けしたレポートがないだろうかと調べてみたところ、英国の価格比較サイト「Compare the Market」がランキングを発表していた。
日本の運転免許証はアジア首位
同ランキングでは、22か国の運転免許証を対象に、海外での切り替えのしやすさ等の視点からスコアが付けられている。「現地でそのまま運転できるのか」「免許の切り替えは可能か」「手続きや所要時間はどうなるのか」ーーざっとこのような指標で順位付けしているものと目される。
最もスコアが高い運転免許証はフランスで、次いでベルギー、ドイツと欧州勢が強さを誇示している。日本は13位と中堅に甘んじているものの、それでもアジアでは堂々の首位である。
「外免切替」制度の見直し議論
公式統計での確認はできないものの、日本の運転免許証を国際免許に切り替えれば約100か国で運転できるとした記事が中国のネットでも散見される。高い値打ちを有する日本の運転免許証を訪日中国人でも取得を可能にしているのが「外免切替(外国免許切り替え)」制度であり、観光目的の数次渡航ビザの取得者で訪日履歴があれば利用資格があるという。
しかし、この外免切替制度には課題も多く、3月3日の国会質疑では制度の見直しの是非が議論された。たとえば、現在の外免切替制度のもとで行われる知識確認試験では、日本の基本的な交通法令に関して〇×形式の問題が10問出題され、7問以上正解すれば合格できる。また、運転免許証の住所欄にホテル名を記入できるのは、日本の運転免許証の信頼性を損ねかねないと指摘されている。
永住申請者が運転を避ける理由
一方、観光目的の訪日外国人が日本の運転免許証に殺到するのに対して、永住権を申請しようとする中国人の間では「日本では運転しない」という選択が広がっているという。背景には、日本の永住権審査で「素行の善良さ」が重視されるという事情がある。交通違反歴があると審査に悪影響を及ぼす可能性があり、軽微な違反でも短期間に繰り返せば審査時のハードルが上がる。
さらに、2024年11月1日施行の道路交通法改正により、自転車でも「ながらスマホ」や「酒気帯び運転」が厳罰化されることとなった。自動車だけでなく自転車に乗ることすら永住申請のうえでリスクになり得るというわけだ。厳格化する交通ルールは永住申請者にとって殊のほか大きなインパクトを与えているようだ。(編集:耕雲)
🔗日本で自転車の「ながらスマホ」罰則強化の衝撃!中国でも進む“低頭族”への青切符導入
参考
How powerful is your driving licence? | Comparethemarket.com.au
How Powerful is Your Driving Licence? | MoveHub
令和6年6月末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁
交通違反がある場合の永住許可申請 不許可になる違反回数は?|外国人永住ビザサポートセンター