中国は二字名、日本は一字名──“キラキラネーム”制限で名づけの潮流はどう変わる?
中国では新生児の名付けでいまや二字名が主流だ。対して日本では一字名が人気を高まってきた。一方、改正戸籍法(2025年5月施行予定)で「キラキラネーム」はどうなるのか? 審美的に優れた旧字体漢字への関心が高まる可能性もありそうだ。
「一字名」が中国で消えた!?
中国では、新生児の命名に関するランキング(2024年)が各地で発表されている。たとえば、四川省では男児の1位は「浩宇(ハオユー)」、2位は「星辰(シンチェン)」。以下、いずれも二文字の名前が並ぶ。女児では「汐玥(シヨウユエ)」が最多で、「沐瑶(ムヤオ)」「欣怡(シンイ)」と続く。(🔗多地新生儿爆款名字出炉,瑞泽、沐瑶排名第一!“梓涵浩宇十年还在榜上”,广东网友坐不住了)
江蘇省淮安市では、男児の1位が「瑞澤(ルイザ)」で、1000人中8人がこの名を持つという。女児では「沐瑶」が最も人気を博し、「梓涵(ズーハン)」も根強い支持を得ている。全体的に見ると、「単名(漢字一文字の名前。以下「一字名」)」は少数にとどまり、「双名(漢字二文字の名前。以下「二字名」)が一般的であることが分かる。
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中国でも”キラキラネーム”問題
中国では改革開放初期まで一字名も珍しくなかったと目されるが、それ以降は同姓同名を避け、より識別しやすい複名が普及していったと見られる。公安部が公表した「2021年全国姓名報告」によると、一字名の比率は13.97%、二字名は84.55%となっている。二字名の比率が圧倒的であり、さらに俗に言う“キラキラネーム”では3文字以上の名前が登場することもある。
たとえば、2017年に陝西省西安市で、娘に「王者栄耀(ワンジャーロンヤオ)」という名前を付けた両親がいた。大人気ゲームのタイトルを想起させるが、親の姓が「王」であるため問題は生じなかった。一方、2009年に山東省済南市で「北雁雲依(ベイイェンユンイー)」という名前を登録しようとした例では、姓が父母いずれのものでもなかったため認可されなかった。裁判では公序良俗との整合性が争点となったと見られる。
日本で「一字名」トレンド
中国とは対照的に、日本では昨年、一字名の存在感が高まっている。ベネッセコーポレーションの「たまひよ」ランキングによると、男児1位は「碧(あお)」、女児1位は「凛(りん)」というように、いずれも一字名がトップとなった。
読み方のランキングでは「はると」が16年連続で1位を維持しているものの、名前ランキングでは短くシンプルな一字名への嗜好が鮮明だ。同調査は26万人を対象に実施されたといわれ、日本の名づけ文化の変化を示唆するものとなっている。
改正戸籍法で読み方に制限も
今年(2025年)5月26日に施行予定の改正戸籍法に関心が寄せられている。戸籍に氏名のふりがなが記載される一方で「キラキラネーム」の制限が進むと見られており、新生児の名前のトレンドにどんな影響を及ぼしていくのかが注目される。
改正戸籍法では、漢字の意味とは逆の読み方や、一般的な読みに著しく反するものなどが制限される。ただ、「一般に認められている」範囲が曖昧で、自治体の判断に委ねられる部分も多くなるという見方もある。

日テレNEWS(2023年6月5日)サイト から
旧字体への注目度が高まる!?
「読み方」に一定の制約が加わる一方で、人名用漢字の選択肢はここ20年ほどの間に広がりを見せてきた。常用漢字(2,136文字)を補強する形で拡充した「人名用漢字(836文字)」には「與」「禮」「豐」など旧字体の漢字も含まれている。より趣のある命名が可能になっているというわけだ。
画像出所:法務省ホームページ 「戸籍統一文字情報」検索ツールから
こうした流れを踏まえれば、近年人気が高まる「一字名(単名)」と、審美的に優れた旧字体の組み合わせが、新たな命名の潮流となっていくことも十分に考えられる。品格と洗練を兼ね備えた一字名にトレンドがシフトすることは、日本における名づけの歴史において、ある種の新境地を開く試みとなるのかもしれない。(編集:耕雲)
参考
多地新生儿爆款名字出炉!"爆款字"之首这几个名字霸榜十年
家长想给女儿取名“北雁云依”,行吗?最高法解释来了_手机新浪网
[国内最多26万人調査]たまひよ 赤ちゃんの名前ランキング2024 男の子「碧」が1位復活、女の子「凛」が15年ぶり1位!| 株式会社ベネッセコーポレーションのプレスリリース
【解説】戸籍に「読み仮名」記載へ “光宙=ピカチュウ”は認められる? 通知が来たら…変更も可能(2023年6月5日掲載)|日テレNEWS NNN
《二〇二一年全国姓名报告》发布-公安部网站