【PR】光と影の間を翔ける――胡炜が描く静謐と躍動の世界|千雪里美ギャラリー移転第一弾

千雪里美四月展讯
ARTSIT|胡炜 胡 魏
【翾影溯光(けんえいそこう)】
フルート、シャドウ、トレーシングライト

INVITATION
千雪里美ギャラリーの新拠点のこけら落としとなるイベント、著名アーティスト・胡炜(Hu Wei)氏個展「翾影溯光」(※)にご招待します。
日時:2025年3月29日(土)午後1時より
室示会場:上海市外灘街道虎丘路27号 2F20
※編集部注:「翾影溯光(けんえいそこう)」は、小さな羽音や影が、かすかな光の源を追い求めるように進む情景を連想させる言葉
アートガイド
胡炜,「新光」,67x67cm, 纸本水墨,2024
工筆画画家・胡炜の近作において特筆すべきは、「光」の表現力にある。霧を貫くように差し込む光の柱は、画面の視覚的焦点であると同時に、伝統的な花鳥画に見られる平面的構造を破り、空間性を創出している。
これらの光のストライプは、単なる自然の写しではなく、緻密に計算された構図の一要素となっている。斜めに画面を横切ったり、枝葉の合間から微かに顔を出したりすることで、奥行きと流動感を生み出しているのだ。
こうした光の描写は、中国画においては極めて稀である。西洋絵画が持つ光と影の表現を取り入れながらも、東洋美学に通底する控えめで静謐な表現を融合させている。その結果、静けさの中にも確かなリズムと躍動感が息づいている。
胡炜《晨光》67x67cm, 纸本水墨,2024
「溯光(レトロライト)」シリーズにおける胡炜の工筆花鳥画は、筆墨による中国絵画の伝統に根差しつつも、光と影の独自の言語によって、花鳥画の表現領域を大きく広げている。水墨の濃淡を自在に操り、光と霧の虚実、鳥の動静を織り交ぜて、現実と幻想が交錯する自然の情景を描き出している。
そこには、南宋絵画に通じる禅的な美意識と、現代の視覚体験が交差しており、観る者は工筆画の繊細な美しさを堪能するだけでなく、時空を超えた静寂と生命の力強さを感じ取ることができる。
これは、現代における中国伝統絵画の新たな可能性を示すものであろう。形式に固執することなく、また西洋化を盲目的に受け入れるでもなく、対話と融合を通じて、古典の美が今なお輝きを放ち続ける道を指し示している。
胡炜,《椅子シリーズ》2,66x45cm,2024
上海を拠点に活動し、教授としても活躍する胡炜の近作は、構図の大胆な変化と光の扱いにおいて新たな表現領域に踏み込んでおり、作品の完成度と芸術性の点で顕著な進展を遂げている。宋代の絵画伝統を基盤としつつ、その構図にはモダニズム的なアプローチが色濃く見て取れる。
作品には、上方からストライプ状に降り注ぐ光が描かれ、強い明暗の対比や空間の奥行きを強調する手法など、まるでバロック絵画を思わせるドラマチックな構成となっている。鳩たちは空を舞っているようでありながら、何かに押し潰されるかのような緊張をはらみ、もがくような動きを感じさせる。
この新たな動的感覚があるからこそ、観る者の視線は自然と引き寄せられ、筆致の妙味をいっそう深く味わえるのではないか。
「霊禽生機」胡炜|2024年9月展示
