“トランプ関税”が追い風、中国アプリ『DHgate』が米人気ランキング2位に急浮上
中国発EC「DHgate」が躍進
■ 「本物と同じ」が格安で入手できる!?
DHgateが一躍注目を浴びるきっかけとなったのは、TikTokに投稿された1本の動画である。この動画では、中国の工場で製造されたバッグがヨーロッパでブランドロゴを付けられ、高額なラグジュアリーバッグとして販売されている実態が明かされた。
たとえば、1400ドル(約21万円)相当のバッグが、ロゴを付けただけで3万8000ドル(約580万円)に跳ね上がるケースも紹介され、米国の消費者に衝撃を与えた。これを受けて、同様の商品が格安で手に入るサイトとしてDHgateが急速に注目され、米国のApp Storeの無料アプリ人気ランキングでChatGPTに次ぐ2位に登場した。

■ “トランプ関税”が追い風に!?
DHgateの躍進を後押ししたもう一つの要因は、俗に言う“トランプ関税”だ。トランプ政権下で中国製品に最大145%の関税が課され、米国での輸入価格は大幅に上昇した。 これにより、消費者は仲介業者を介さず中国から直接商品を購入する方法を模索し始めている。そのニーズに応えたのがDHgateだった。 2004年に北京で設立した同社は、中国初の中小企業向けB2B越境ECプラットフォームとして、現在では225か国と地域でサービスを提供し、登録サプライヤーは260万、取り扱いアイテムは3300万件を超える。
■ ブランド志向からコスパ志向へ
DHgateの人気が今後も継続するかは、米国消費者の価値観の変化にかかっている。BtoC企業のマーケターのために開発されたシステム「SAP Emarsys」によると、米国のブランドロイヤルティは2022年の79%から2023年には68%に低下。 さらに59%の消費者が「より安価な選択肢があればブランドを切り替える」と答えている。高品質かつ低価格な商品への需要が高まる中、DHgateのようなプラットフォームが「合理的消費」を求める層にとって不可欠な選択肢となる見通しだ。
■ SNSが生み出す新たな購買行動
国際政治や経済環境の変動、そして消費者心理の変化が重なり合う中、越境ECへの注目度が高まっている。 米中関係の展開やSNSのトレンドによっては、消費者の購買行動を牽引役としてDHgateの存在感がさらに高まる可能性がある。(編集:耕雲)
参考
DHgate公式サイト:https://www.dhgate.com Loyalty Landslide: US Consumers Demand More as Brand Loyalty Declines | SAP Emarsys