“無理由”にもルールあり──中国の返品制度に5月から新基準、消費秩序の構築へ

無理由返品制度は、消費者の権利を守る象徴的な仕組みだが、正規品を購入し、偽物を返送して返金を受けるといった制度の隙を突いた事件も発生した。2025年5月から施行が予定されている新たな国家基準にもとづく新制度が消費環境にどのような変化をもたらすのか注目される。
🛒制度の趣旨と現実
中国では日本の「クーリングオフ制度」に似た形で「無理由返品制度(无理由退货制度」が存在する。消費者の権利を守る象徴的な仕組みであることは言うまでもない。しかし、近年、この制度を悪用した詐欺事件が発生しており、制度の運用における課題も浮き彫りになっていた。

📘新規範のポイント
中国では、2025年5月1日から『アフターサービス 無理由返品サービス規範』(GB/T 44904—2024)が施行される。この規範では、無理由返品サービスの適用範囲、返品条件、手続き、商品の「返品可能な状態」の判断基準などが明確に定められている。特に、オンラインおよびオフライン販売の両方に適用され、販売者やプラットフォーム提供者には、返品ポリシーの明確化や返品商品の検査強化などの責任が求められる。

⚠️偽物返品詐欺事件の衝撃
2024年12月、北京市で男が電子商取引プラットフォームの「7日間無理由返品」ルールを悪用し、正規品を購入後、偽物を返品する手口で約227万元を詐取した事件が発生した。男は複数のアカウントや住所を利用し、高価な商品を対象に詐欺行為を行っていた。裁判所は男に対し、懲役11年と罰金11万元の判決を下した。この事件は、無理由返品制度の悪用によるリスクを浮き彫りにし、制度の見直しと強化の必要性を示す契機となった。

🛡️信頼性の高い消費環境構築を
新規範が施行されることで、無理由返品制度の運用は一層厳格化される見通しである。販売者やプラットフォーム提供者には、返品審査の強化や返品手続きの改善といった具体的対応が求められることになる。一方で、消費者の側にも、制度を誠実に利用する姿勢が強く期待されている。
無理由返品制度は、消費者保護の観点から極めて重要な役割を果たす制度である。その健全な発展を推進し、誠実かつ公平な消費環境の整備につなげていくうえでも、評価する仕組みの整備が急務となっており、今後の新規範の運用と社会的影響には引き続き注視していく必要がある。
参考

