食べログが「旅マエ」予約で攻勢、Weixinミニプログラムで日本の味覚を先取り

「食べログ」を展開するカカクコムがテンセントクラウドと連携し、「旅マエ予約」が可能な微信ミニプログラムを始動。日本の飲食店87万軒を中国語で検索・予約・決済できる新たなインバウンド体験が始まった。
■食べログが「旅マエ」に照準
日本最大級のレストラン検索・予約サービス「食べログ」がテンセントのクラウド部門と連携し、 「Tabelog日本美食餐厅预约」ミニプログラムを微信(Weixin、WeChat)内で正式リリースした。 これにより、中国からの訪日旅行者は、日本の87万軒以上の飲食店を、“旅マエ”の段階で中国語検索・予約・決済できるようになった。
これまで訪日旅行客は日本到着後にグルメ情報を調べるケースが多く、言葉の壁や店頭の混雑に悩まされることが少なくなかった。 しかし13億人ユーザーを有する微信のミニプログラムではレストラン情報の収集から予約、決済までワンストップで行うことができる。訪日旅行者が現地到着後に受けてきた活動の制約が大幅に軽減される見通しだ。

■ テンセントが“スムーズ体験”支援
旅行者のスムーズなグルメ体験の実現を支えているのが、テンセントクラウドのインフラであり、 微信ミニプログラム領域における豊富な経験と成功事例がこれを裏付けている。
テンセントクラウドは食べログとの連携を通じて、ユーザーの動線設計から予約・決済フローまでのプロセスを構築。 外国語対応、デポジット予約、決済(微信支付)による為替自動換算など、きめ細やかな設計を行った。
■ ミシュランも居酒屋も老舗店舗も
こうした仕組みにより、旅行者は「日本旅行中(旅ナカ)」ではなく「日本旅行前(旅マエ)」から、 まるで中国国内のサービスを使うように訪日グルメ体験を手軽にアレンジすることが可能になった。
ミニプログラムで検索が対象な飲食店は全国で約87万軒。 ミシュランの星付きレストラン、京都の老舗料亭、地方都市の名物居酒屋まで、幅広くカバーされている。 デポジットを活用した座席予約に加え、今夏には「コース予約」機能も追加される予定であり、 個人旅行にも団体旅行にも対応しようとしている。

株式会社カカクコムのプレスリリースから(PR Times)
■ 外国人支援で競争激化
もちろん、食べログの競合プラットフォームであるぐるなびやホットペッパーグルメなどもこれまで中国人観光客向けに積極的な展開を進めてきた。
たとえばホットペッパーは2015年にアリペイと提携し、主要都市の飲食店情報を発信。 ぐるなびは多言語版サイトをいち早く展開、2024年にはこれを刷新し、外国人向けサービスを強化している。
しかし、微信という“圧倒的な数の中国人ユーザーを擁するアプリ内で、予約、決済に至るまで完結できるミニプログラムを持つのは、 食べログが草分け的な存在となった。単なる「中国語対応」ではなく、「行動プラットフォームの中に入り込む」本質的な差別化で頭ひとつ抜き出た形だ。
■ 新たな集客モデル
今回のミニプログラム展開は、日本の飲食業界にとっても追い風だ。 訪日旅行客数がコロナ前水準を超え、大きく飛躍する中、店舗側にとって「予約+来店保証」が可視化される仕組みが貴重な集客チャネルとなる。
同時に、食べログとしても中国本土でのブランド認知を高め、日本国内でのネット予約利用を促す好循環を生み出せる。 “インフラ型プラットフォーム”の構築が外食と観光をつなぐ新たな成功モデルの形を作ることになりそうだ。
(編集:耕雲)

参考
食べログ、テンセント・クラウドとの協業を通じ、「食べログ微信(ウィーチャット)ミニプログラム」の提供を開始 | 株式会社カカクコムのプレスリリース 腾讯云 x Tabelog:一键解锁日本87万家餐厅
