中国の出前市場で“三国志”開戦──京東参戦、アリババは戦略再編、美団は迎撃体制
中国のフードデリバリー市場が“三国志”の様相を見せてきた。京東(JD.com)が新規参入したからで、アリババも即時配送サービスを強化した。トップを走る美団(メイトゥアン)も迎撃体制の充実を図ろうとしている。
🚴♂️ 京東(JD.com)が出前参入
中国のフードデリバリー市場において、京東(JD.com)が新たに本格参入。新サービス「京東外卖」を打ち出した。
京東は加盟店向けに2025年5月まで年間0%手数料(翌年上限8%)を適用するなどの施策を打ち出し、とりわけ「品質堂食餐飲商家(クォリティー・イートイン・レストラン)」への支援を強化している。
ネットユーザー向けには4月11日に「百億クーポン」キャンペーンを開始し、25元で20元引きなどの割引券を配布して集客を図った。その結果、加盟店数はもとより、注文数が急増している。また、配達員に対して社会保険を付与するなど、競争優位性を高める施策を次々に導入している。
⚡ アリババの即時配送再編
一方、アリババは即時配送事業を再編。淘宝アプリ内の「小时达」をアップグレードし、新ブランド「淘宝閃購」を立ち上げた。これにより、饿了么(Ele.me)との連携を強化し、30分以内の配送サービスを実現させている。
また、天猫(Tmall)の主要ブランド店舗と連携し、多彩なクーポン施策や割引キャンペーンも展開。京東とアリババの競争は短期的には“クーポン発行合戦”に陥る可能性があり、中長期的には収益性と運営効率が鍵となってくる。

左から「淘宝秒送」、「京東闪购」、「美団美食」
🏁 品質・速さ・価格──三つ巴の競争
2024年の中国フードデリバリー市場規模は約1.63兆元に達し、美団(メイトゥアン)が68.2%のシェアを占める(饿了么は25.4%)。
美団は広範な配送網と豊富な商品ラインナップを武器に市場をリード。技術サービス料(手数料)は約6~8%とされ、配送効率の向上による利益率の改善を狙っている。
顧客基盤・物流資源・補貼資金の体力など、各社の強みを生かした「価格・速さ・品質」の競争が激化する中、果たして生き残るのは誰か。
今のところ最も恩恵を受けているのは──他でもない消費者かもしれない。
(編集:耕雲)
参考