公共バスもオンデマンド時代──行きたい時間・場所を“自分で“カスタマイズ”!

公共バスもオンデマンド時代
中国では、スマートフォンを使って「自分仕様」のバスを呼び出すことができる時代になった。「定制公交(カスタムバス)」と呼ばれるこのサービスは、予約制・定刻運行・1人1座席を基本に、既存の路線バスとは一線を画す、しかし確かに“公共交通”の体裁を持った新しい移動のかたちである。移動ルートを“カスタマイズ”
上海の通勤風景が変わったのは、何も高層ビルが林立したせいばかりではない。「DZ123」や「DZ509」などと表示された、見慣れぬ番号のバスが街を走るようになった。2025年5月現在、すでに200路線以上に渡って運行されているという。
“DZ”とは「定制(DingZhi、カスタマイズ)」のな発音に由来し、乗客のニーズに応じて走る「定制公交」、すなわち“カスタマイズされたバス(カスタムバス)”を指す。通勤や通学、高齢者の通院など多様な目的での利用が増えており、まさに一人ひとりの生活に寄り添う“あつらえの足”となっている。

「随申行」アプリからリクエスト
路線バス利用のハードル
これまで日本人にとって中国の公共バスの利用はハードルが高かった。まず挙げられるのが、多くの路線でバス停に「時刻表」が設置されていないことがある。「朝7時から夜8時まで、10〜15分間隔で運行」といった情報は確認することができても、分単位の確かな発着時刻を把握するのは難しい。

新たな選択肢を得た安心感
その点、“定制公交”は画期的だ。予約時に出発地・目的地・時刻が明記され、一人ひとりに座席が割り当てられる。かつての“すし詰め”バスを経験したことがある現地の人たちも、安心・快適なサービスとして受け止めているのではないだろうか。
“定制公交のサービス”が提供されているのは上海だけではない。深圳でも「優点出行」というアプリがあり、通勤や通学ルートの開設に利用されている。一方、北京では「北京定制公交(アップグレード版)」ミニプログラムがあり、観光目的でも重宝されているという。
交通の未来は「選べる公共」
これまで私たちは、バスの走る道に自分を合わせてきたが、いまや公共交通機関が人に合わせる時代になった。もちろん、一般路線バスより料金は高くなるが、それでもタクシーやライドシェアと比べれば手頃な“中間的モビリティ”として評価されそうだ。誰もが使える新たな移動手段が、静かに、確実に広がっている。(編集:耕雲)
情報出典:
上海市交通委公式サイト|shanghai.gov.cn
深圳「優点巴士」紹介|youdianbus.com
北京定制公交アップグレード版|beijing.gov.cn
新浪財経(2025年5月8日)ほか
