アリペイがひそかに日本語化、多彩な機能がさらに使いやすく
まだ正式リリースには至っていないという見方もできるが(2024年6月1日時点)、アリペイ(支付宝)の言語設定に日本語が加わるようになった。外国人ユーザーを取り巻く決済環境が大きく改善を続けるなか、今後どのようなアナウンスが予定されているのか注目したい。
アリペイの画面が突然日本語に
先週のことだ。朝目覚めてAndroid版スマートフォンでアリペイを起動すると、画面のメニューが日本語に変わっていることに気づいた。これまで中国語と英語の二択だった言語表示の選択肢が一挙に増え、5言語8種類の文字に対応するようになっていた。
アプリの設定欄でバージョン情報を確認してみると「Ver.10.5.98」と表示されている。日本語化されたのは最新バージョンからのようだ。ただ、和訳されたアイコンやボタンの名称には微妙なものも多く、しっくり来ないテキストが割り当てられている箇所も見受けられる。“突貫工事”で体裁を繕っただけという印象さえ抱いてしまう。「バージョン」ではなく「版数」という表記も気になるところだ。
最新バージョンは非公式公開?
そんな怪訝な思いを抱きながらアリペイ(Android版)の公式サイトにアクセスしてみると、Android版の最新更新情報は5月16日に発表された「10.5.96.80」となっている。すなわち、筆者がデバイスで確認したバージョン(Ver.10.5.98)より公式にアナウンスされている“最新バージョン”のほうが古いことになる。
となると筆者が目にしている日本語対応版のバージョンは正式リリース前の試験運用である可能性が高い。ちなみにiOS版の現バージョンは「10.5.96.88」だが、依然として言語設定欄は英語と中国語しか表示されていない。
アリペイのミニプログラムにも注目
アリペイの日本語化をディスるのが本意ではないので、ここで同アプリのおすすめの機能についても触れておこう。Weixin(微信、WeChat)ほど多彩ではないが、アリペイでも便利なミニプログラムが提供されている。そのうち翻訳ミニプログラムはすぐにでも活用したいものの一つだ。
このミニプログラムには画像翻訳の機能も付帯している。屋外や店舗内に掲げられた中国語のポスターや案内を撮影し、その場で大まかな日本語の意味を確認するという使用シーンが想定されるだろう。便利なのは、アリペイのホーム画面からワンタップで開けるという機動性だ。
外国人による利用の壁
惜しむらくは言語設定で「英語→日本語」という組み合わせが用意されていないことだ。トップ画面に表示されている日本語の見出しをタップしても表示されるのは英語のコンテンツで、そこから翻訳のアクションを取ることができないのは不便だ。したがって、よりヘビーな使い方をしたいなら、おなじみの翻訳アプリをホームスクリーンに置いて利用するのがよいだろう。
それでも、消費アクションと決済を前提とした生活シーンで手っ取り早く意味を把握したい場合は重宝すること間違いない。アリペイは昨今、外国人利用者に向けたサービスを強化しており、紐付けが可能な海外クレジットカードを多数カバーしたほか、1回の取引限度額は1,000ドルから5,000ドルに、年間取引限度額は1万ドルから5万ドルにそれぞれ引き上げている。
アリペイにSNS機能?
さらに、9桁の携帯電話番号によるユーザー登録にも対応し始めた。外国人でもタクシー予約、ホテル予約、アトラクションのチケット予約、公共交通機関の乗車券予約など、決済を取り巻くサービスが手軽に利用できるように整備が続けられている。
将来、コミュニケーションツールとしての機能を追加する構想があるという憶測も流れているが、これについては何と評したらいいのだろうか。テンセントが擁するWeixinとQQの関係と同じく、機能面でDing Talkとの競合も懸念されそうだ。日本人ユーザーにとってはそれほど重宝する機能とはいえず、むしろ当面の日本語画面の改善を望みたいところだ。(編集:耕雲)
参考
Alipay Raises Transaction Limits for Foreigners: Up to $5000 Per Transaction - Pandaily