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2025-06-03
“観音の群島”に高速鉄道が直結へ!海底貫く“巡礼”トンネルの海域部が始動
交通鉄道

中国浙江省の群島都市・舟山と本土・寧波を結ぶ高速鉄道「甬舟鉄道」が、いま大きな節目を迎えている。全長16.18kmの金塘海底トンネルで、シールドマシン「甬舟号」がついに海域部に突入。“海を貫く旅(穿海之旅)”が現実のものとなりつつある。
海底を貫く高速鉄道
そんな舟山が2028年に甬舟鉄道によって鉄路で本土と結ばれる。同鉄道の象徴的な存在が全長16.18kmに及ぶ金塘海底トンネルで、浙江省寧波市東駅から舟山市白泉鎮までの全長約77kmを高速鉄道で結ぶ。

青函トンネルとの比較
海底トンネルを走行する高速列車としては、日本がすでに青函トンネルで実現している。ただし、新幹線と貨物列車が共用されており、速度が160km/h程度に制限されているのが現状だ。そのため速度制限の要因を取り除き、高速鉄道専用で設計されたという点で、甬舟鉄道は世界に類を見ないものとなる。
(NATM工法) | |||
(TBM使用) | |||
(構想段階) |
注記:ネット情報を元に筆者作成。渤海海峡海底トンネルは構想段階。具体的な設計や工法については変更される可能性がある
上海~舟山40分構想も
甬舟鉄道の開通後は、さらに上海と舟山をわずか40分で直結させる構想もあるという。上海を中心とした「長江デルタ1時間圏」の版図はさらに拡張していく見通しだ。


一方で、日本にも福岡と五島列島のように、本土と離島の構造的隔たりを抱える地域は存在する。だが、五島と本土を結ぶ高速鉄道構想は現実味を帯びておらず、長崎新幹線のフル規格整備さえ先行きが見えないのが現状だ。
交通網の差は、やがて地域の活力や未来像にもつながっていく。舟山が海を越えてつながるその日、日本の“島と都市”の関係にも改めて光が当たるべき時なのかもしれない。
(編集:耕雲)

参考・出典
中国鉄道設計集団「甬舟铁路金塘海底隧道工程简报」(2025年5月)
https://mp.weixin.qq.com/s/IjJSy6dlhKueRNFb6-DkTgJR北海道「青函トンネルと北海道新幹線の概要」
https://www.jrhokkaido.co.jp/shinkansen/seikan.html渤海海峡跨海通道研究新进展!
https://mp.weixin.qq.com/s/tnU5HBSBLTNOZg6PfmY-sg長崎新幹線:西九州ルートの経緯|佐賀県庁
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00374236/index.html

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