“三雄”は並び立てる?中国の即時配送市場が激化、京東の“無人バン’に注目!

三つ巴の即時配送市場、覇権を握るのは? 京東物流が無人バン投入!
「京東(JD.com)、ついに“バン製造”へ」。このニュースは、即時配送をめぐる中国の覇権争いに新たな火種を投下した。革新的な無人車両であり、30分圏経済を支えるラストマイル物流の切り札として期待されている。京東は果たして“三つ巴”の戦いから一歩頭を抜け出したのだろうか。
“三雄”並び立つことの難度:
「三大企業」や「ビッグスリー」という言葉がよく使われるが、“三雄”並び立つ図式が市場のスタンダードというわけではない。このことを痛感せざるを得ない日系企業絡みのニュースもよく目に付く。
- 日産自動車:
かつては世界を席巻したビッグスリーの一角、日産自動車。品質問題、競争激化など幾多の要因を受けて、その名は栄光の時代から遠く離れ、かつての輝きを取り戻す道のりは遠く、険しい。 - くら寿司:
くら寿司が中国市場から撤退することを発表した。日本ではスシロー、はま寿司と並ぶ回転寿司チェーンの大手ブランドだが、中国進出わずか2年で全店舗の閉鎖は業界に衝撃を与えた。 - 松屋:
言わずと知れた牛丼チェーンの代表格のひとつ。しかし、中国では多店舗展開には至らず、中国市場での存在感は薄い。現地の消費者の嗜好に合わせたメニュー開発も壁になったといわれる。
日本郵便が“三強”から後退
中でも衝撃だったのは日本郵便をめぐる事件だろう。同社は複数拠点でドライバーの安全確認(点呼)を実施せず虚偽記録を作成するなど法令違反をしていた。このことが発覚すると国土交通省が同社の一般貨物自動車運送事業の許可を取り消したのだ。この処分により一部車両の運行停止が実施され、日本郵便は宅配市場の「ビッグスリー」の存在から大きく後退した。
即時配送で各社がサービス強化:
一方、中国ではアリババ、美団(メイトゥアン)、京東(JD.com)による即時配送市場の覇権争いが「三国志演義」のごとく激化している。これらの企業は新鮮食品や日用品の30分~2時間での配送を軸に、シェア拡大を狙った技術革新を加速させている。
今年の「618セール」では、即時配送市場は「生活圏サービスの中核インフラ」となりつつある様相を示すことになった。たとえば、京東(JD.com)はAIによる倉庫・配送網を強化、美団は「クイック購入(閃購)」サービスの全品類対応を掲げる。アリババ(淘宝/Taobao)は順豊(SFエクスプレス)と組んで「超速訪問(極速上門)」を提供するといった具合だ。

即時配送のコンセプに関するイメージ。ネット情報を元に作成
京東が自社バン開発:
中でも昨今とくに注目を集めているのが京東の動向だ。京東は、フードデリバリー市場への本格参入を果たし、美団やアリババ系列のウーラマ(饿了么)が長年にわたり支配してきた市場に風穴を開けた。「品質出前」という新しい価値を提案し、AIとビッグデータを駆使した「物流超脳(Logistics Brain)」で物流の最適化を進め、圧倒的なサポート体制を築こうとしている。
その切り札ともいうべき存在が、6月に開催された「第17回国際交通技術展」で披露目された「京東物流バン(VAN)」である。このバンは、最大24立方メートルの積載量と400kmの航続距離を誇るもので、レベル4の自動運転技術を搭載した無人配送車だ。

「30分圏生活」の覇権競争:
京東物流バンは、都市内の複雑な道路環境でも自律走行が可能だ。ECの物流拠点間輸送や製造業の部品搬送、冷凍品の配送など、高頻度な近距離物流に特化している。これにより、物流の効率化とコスト削減の実現が期待されている。
京東は2015年に蔚来(NIO)への初期投資を果たしてから自動車事業を段階的に拡大してきたが、無人配送車の投入で即時小売市場は新たな局面を迎えたことになる。今後、「30分圏生活」の覇権を巡る戦いが加速し、物流の力が競争要素としてますます重要になってくる。三つ巴の構図のなかで各社がどのような奇策を繰り出していくのか、今後の動向から目が離せない。(編集:耕雲)
参考
