業界再編進行中?ベーカリー大手『ブレッドトーク』が成都11店舗閉店、消費者不安解消に声明

ブレッドトーク、成都11店舗閉店 消費者対応と業界再編の行方
シンガポール発の人気ベーカリーブランド「ブレッドトーク(BreadTalk、面包新语)」が四川省・成都で展開していた全11店舗を一斉に閉店した。プリペイドカード返金問題が浮上したが、同ブランドは声明を発し、消費者の不安払拭に尽力している。一方、ベーカリー業界の再編にも注目が集まる。
❖ 成都全店舗の閉店を公式声明
2025年7月、シンガポール発のベーカリーチェーン「ブレッドトーク(BreadTalk、面包新语)」は、成都で展開していた全11店舗を一斉に閉店した。この閉店について、同社は公式Weixin公式アカウント(微信公衆号)で声明を発表し、成都エリアのフランチャイズ契約が2025年6月で満了し、「正常な事業提携の終了」によるものであると説明した。
一方、プリペイドカード(储值卡)を保有する消費者に対して影響が出ていることについて陳謝の意を示し、未使用分については所定のホットラインで返金手続きを受け付ける方針を明らかにしている。
なお、声明では虚偽の情報の拡散については法的措置も辞さない含みも持たせており、返金手続きが難航しているなどの誤情報によって広がっていた消費者の動揺を鎮めたいとする意図が伺える。

成都店の閉店を伝える報道(左)とブレッドトークによるWeixin公式アカウントでの声明
❖ 地域ごとに運営体制に違い
今回の閉店は四川省成都エリアのみが対象で、広東や深圳など他地域の店舗運営には法的・経営的に関係がないとされている。ただ、中国国内で複数の運営主体が存在していることが、問題発生の際の責任所在を消費者にわかりにくくしている一因となっている。
プリペイドカードの返金に関しても購入した店舗の運営主体にしか請求できないとされ、異なる地域の店舗では返金対応が困難になる。そのため、今回のような閉店の事態に直面した場合、ブランド全体での調整や法的対応が求められるとする指摘もある。

❖ 中国市場での転機
ブレッドトークは2000年にシンガポールで創業し、今年で25周年を迎える。2003年に中国市場へ進出し、現代的な内装と洗練された製品で一世を風靡し、最盛期には中国全土で418店舗を展開した。上海の旗艦店である来福士広場店(ラッフルズプラザ)では、1日に100万元超の売上を記録したとも伝えられている。
その後、ブレッドトークは「都市単位の一括加盟モデル」を採用し、各都市のフランチャイズ加盟者がその都市のすべての店舗を経営する形で急速に店舗数を拡大した。しかし、このモデルは加盟店が撤退した際に、その都市全体の店舗が閉店するリスクを孕んでおり、実際に西安などでも同様の問題が発生した。公式発表によると、中国全土の営業店舗数は現在200店未満(公式発表)となっており、年々減少傾向にあることがわかる。

❖ ベーカリー業界の再編
ブレッドトークの一連の閉店と経営難は、現在進行中の中国ベーカリー業界の再編を象徴しているとの見方もある。メディア報道によると、2024年には、ベーカリーの新規開店が約10.3万店に達した一方、9.5万店が閉店したという。業界全体の成長が鈍化し、競争が激化していることがうかがえる。
一方で、“新中華”スタイルや焼き立てのベーカリーや、コスパ重視型のブランドが注目を集める現象も見せている。新興ブランドは消費者のニーズに応じた新しい商品ラインナップや、手軽に購入できる低価格帯の商品を提供し、繁華街や主要なショッピングモールで人気を集める。
また、好利来や瀘渓河などの既存大手ブランドも競争力を強化している。リニューアルや新業態の店舗展開を進めているほか、商業施設の多くがベーカリー市場に参入しているのが現状であり、スーパーやカフェなども伝統的ベーカリーチェーンには手強いライバルとなっている。

❖ 加盟システムと将来の展望
今回の閉店騒動によって浮き彫りになったのは、都市単位の加盟モデルによるリスクだけでなく、プリペイドカード利用者に対する保護の問題だ。ブレッドトークは「法令遵守と利用者支援」に強い姿勢を見せたものの、スポーツジムやヘアサロンなどのチェーンにおいて、前払い金の返金トラブルが度々問題視されてきた。
それだけに閉店の決定にともないうプリペイドカードの扱いは、消費者に動揺をもたらしやすいデリケートな問題だ。閉店がもたらすブランド全体のイメージ毀損を回避し、リスクを最小限に抑えるために、企業側には情報公開やガバナンス強化が求められている。(編集:耕雲)
