急ぐべきはリニアよりループ!? 日本を尻目に“上海環状新幹線”が開通
6月15日、“上海環状高速鉄道”が開通した。日本の北陸新幹線延伸を上回るインパクトを持つニュースである。リニア中央新幹線の工期延期が注目される中、日本は新幹線の環状化で中国に先行された現実が浮き彫りになった。このほど実現した“上海環状高鉄(高速鉄道)”の概要を見てみよう。
環状高鉄の特長と利便性
2024年6月15日、中国の鉄道史に新たな歴史が刻まれることとなった。上海エリアを広域に取り囲むように高速鉄道が環状化し、運行を始めたのだ。上海駅を起点とし、江蘇省、浙江省、安徽省経由で上海虹橋に戻ることができる。観光やビジネスの利便性が大幅に向上するだけでなく、上海と周辺都市、小都市と大都市の連携がそれぞれ強化され、長江デルタ地域の一体化と発展促進が期待される。
「上海—上海虹橋」の総距離は1,200キロメートルあり、蘇州、南京、合肥、杭州を含む19の駅を経由する。上海駅を10時27分に出発するG8388列車に乗車した場合、上海虹橋までの所要時間は約8時間で、18時36分に到着する。料金は2等座席で591元、1等座席で949元となっている。
日本の環状新幹線は未完成
ここで日本の新幹線に目を向けてみよう。日本に「環状高鉄(高速鉄道)」に相当するものがあるとすれば、3月16日に金沢から敦賀まで延伸を果たした北陸新幹線だ。北陸新幹線の計画は1973年に着手され、1997年に東京から長野までの区間が開業、2015年には長野から金沢まで延伸した。
今回、さらに福井県の敦賀駅まで延伸したことで、東京から敦賀駅まで乗り換えなしに3時間余りで移動できるようになった。北陸新幹線は将来的には新大阪まで延伸する計画があり、完成すれば東海道新幹線と接続し環状運転の道が開ける。ただし、その区間が着工するのは2031年と言われており、まだ先のことだ。
画像:Wikipedia「北陸新幹線敦賀以西のルート選定」。延伸ルートは「小浜・京都ルート」に決定したとされるが、「米原ルート」の再考を求める声も強いという
北陸新幹線延伸への期待
首都圏と北陸、関西地域の経済的連携を強化するうえで重要な役割を担う北陸新幹線の延伸を待ち望む声は強い。東京から大阪までを日本海経由で移動する迂回ルートという点でも有意義な新幹線網だからだ。一方、それが完成するまでに中国では“環状高鉄”がいくつ完成しているのだろうか。中国の高速鉄道の営業距離は2023年末時点で4万5000キロに達した。2025年には5万キロ、2035年には7万キロに達すると言われ、日本の新幹線の総延長3,300キロを遥かに上回る。
昨今、リニア開発で中国が追撃を始めていることへの焦燥感からか、中央リニア新幹線の開通予定時期が先送りされたことに日本のネットでは懸念の声があふれている。しかし、“環状新幹線”の構築で日本が後手に回っていたことには無頓着かつ無関心なのか、話題になることはあまりない。半世紀にわたり温められてきた計画が実現する日が訪れることを願うばかりだ。(編集:耕雲)
北陸新幹線 金沢-敦賀間 開業 | JR西日本 (jr-odekake.net)