ラブブ神話が終焉? 価格下落が示すアートトイ市場の曲がり角

📉 「隠しキャラ」価格も下落
封面新聞等の報道によると、9月8日、香港株式市場でポップマート株は最大8.9%の急落を記録し、終値は300香港ドルを割り込んだ。背景には、株価の急騰後に投資家が持ち株を手放す「調整売り」が広がったことや、Labubuシリーズへの需要懸念があると指摘されている。
ちなみに「隠しキャラ」とは、ブラインドボックスに極めて少数しか封入されない特別デザインであり、その希少性ゆえに一時はプレミアム価格が常態化していた。
💰 半値以下となった市場価格
第四代ミニLabubuシリーズが8月28日に発売された。価格は1個79元で、A・Bの二組が展開され、それぞれ14種類の通常デザインと隠しキャラ1種が含まれる。隠しキャラの出現率は168分の1と設定され、発売直後には瞬く間に完売。整箱は一時3200元に達し、取引価格は1000元近くまで跳ね上がった。
• 発売直後:整箱 3,200元、隠しキャラ 1,000元近く
• 9月初旬:平均価格 107元、1箱 1,446元
• ピーク期の半分以下まで下落
しかし熱狂は長続きせず、オンラインショッピングコミュニティアプリ「得物App」のデータによれば、9月初旬の平均価格は107元、1箱(14個入りの未開封セット)1446元にまで下落。依然として定価をわずかに上回る水準ではあるが、ピーク期の半分以下にまで落ち込んだ。こうした急変は、供給過多と需要減退が同時に進んだ結果と見られている。
😢 感情消費と転売業者の退場
価格下落を受け、これまで市場を支配してきた転売業者も次々と撤退を表明している。SNS上では「Labubuシリーズは全面的に買取停止。市場回復の兆しを待つ」といった投稿が目立ち、中古市場には「赤字転売」「出血セール」と銘打った出品が増加している。
🤐 ポップマートの沈黙と依存リスク
アートトイ(潮玩)市場はこれまで、投機的な転売需要と純粋に楽しむコレクター需要の両輪で成り立ってきた。しかし熱狂が冷めれば前者は退場し、残るのは後者だけである。企業にとってはむしろ健全化とも言えるが、Labubuという単一IPへの依存度が高い現状はリスクとされる。
Labubu人気の副産物として、衣装カスタム(娃衣定制)や改造フィギュアを手掛ける職人(改娃师)など新しい職業も誕生したが、需要が急減すれば周辺市場も一気に冷え込む可能性がある。ポップマートは商品の補充をあえて不定期に行い、投機的な動きを抑えようとしているが、数量コントロールを誤れば価格暴落を招きかねない。

🔄 市場の転換点としてのラブブ暴落
Labubuの価格崩落は、一つの人気キャラクター(IP)の浮沈にとどまらず、アートトイ市場全体が転換期を迎えていることを象徴している。希少性の演出や一時的な熱狂に依存するのではなく、ストーリー性や美的価値といった本質的な魅力をいかに持続的に育てていくかが問われている。
参照情報ソース
- Investopedia: Is the Labubu Craze Fading? Maker Pop Mart's Stock Tumbles After HK Index Entry
- ScanX News: Pop Mart Shares Plunge 8.9% on Index Inclusion Day Amid Demand Worries
- Futunn News: Morgan Stanley 'strongly supports' Pop Mart: second-hand market prices may be misleading
- Reuters: Labubu human-sized figure sells for over $150,000 at Beijing auction
- South China Morning Post: Labubu figurines set records at auction as Hong Kong-designed soft toys' popularity grows
- The Sun: Parents warned about 'dangerous' fake Labubu dolls with 'serious risk' to kids