高級ホテルのスリッパめぐりネットで物議
江蘇省常州市のマリオットホテル(万豪酒店)に宿泊した客が、部屋に備え付けられた白いスリッパに毛髪の付着や使用された痕跡があることを発見し、SNSで「使い回しでは?」と問題提起したことが物議を醸すこととなった。
ホテル側は21日、環境配慮のためスリッパを消毒・洗浄して2~3回再利用していると認めたが、事前の説明はなかったとされる。また、劣化品が提供されていたたのは客室部門のミスであるとした。
ホテル側は21日、環境配慮のためスリッパを消毒・洗浄して2~3回再利用していると認めたが、事前の説明はなかったとされる。また、劣化品が提供されていたたのは客室部門のミスであるとした。
中国におけるアメニティ規制の背景
背景には、使い捨てプラスチック製品削減を目的とする政策がある。上海市では2019年に条例が施行され、歯ブラシや櫛など6種類のアメニティを積極的に提供しないことが義務付けられた。さらに『公共場所衛生管理条例実施細則』では、再利用可能な物品は「一客一換」(宿泊客ごとに交換)を義務づけ、リネン類などの再利用が禁止されているが、スリッパについては地域によって解釈が異なる。
つまり環境保護が求められる一方で、衛生を犠牲にすることは許されていない。今回の事案は単なるオペレーションの不備にとどまらず、衛生と環境とコスト抑制を三位一体で進めなければならないホテル側が直面するトリレンマを象徴する問題といえるかも知れない。
つまり環境保護が求められる一方で、衛生を犠牲にすることは許されていない。今回の事案は単なるオペレーションの不備にとどまらず、衛生と環境とコスト抑制を三位一体で進めなければならないホテル側が直面するトリレンマを象徴する問題といえるかも知れない。

中国で強化される使い捨てプラスチック製品の規制
衛生コストと顧客信頼の狭間
ホテル業界では、アメニティはコストと環境負荷、顧客満足度を同時に左右する。「上遊新聞」の報道では、コスト削減のため「使い捨てスリッパ」を回収洗浄し、数度に渡って繰り返して使用するケースが存在する。
しかし、常州の事例のように告知なしに再利用品を提供すれば、顧客の信頼を一気に失いかねない。したがって、ホテルは「一客一換」の原則を守るだけでなく、再利用可能な物品について衛生管理の手順を透明化することが不可欠になってくる。
しかし、常州の事例のように告知なしに再利用品を提供すれば、顧客の信頼を一気に失いかねない。したがって、ホテルは「一客一換」の原則を守るだけでなく、再利用可能な物品について衛生管理の手順を透明化することが不可欠になってくる。

環境に配慮した再利用可能なホテルアメニティ
新たなプラスチック規制と今後の課題
2025年9月、中国ではプラスチック容器の使用禁止令が施行され、営業停止措置については明記されていないが、違反企業には最大10万元(約200万円)の罰金や是正命令が科されることになった。この規制はホテルも対象で、歯ブラシや櫛など従来の使い捨てアメニティは原則として客室に常備できなくなった。
こうした規制強化は、環境負荷の低減に資する一方で、事業者にとっては代替素材の調達コストや運営効率の面で影響を受けることになっている。最大の課題は、持続可能性と衛生安全をいかに両立させながら、コスト抑制を図っていくことになる。そしてこのトリレンマともいうべき問題は、ホテル業界にとどまらず、外食産業やその他のサービス業に至る、産業全体が直面するものとなっている。
こうした規制強化は、環境負荷の低減に資する一方で、事業者にとっては代替素材の調達コストや運営効率の面で影響を受けることになっている。最大の課題は、持続可能性と衛生安全をいかに両立させながら、コスト抑制を図っていくことになる。そしてこのトリレンマともいうべき問題は、ホテル業界にとどまらず、外食産業やその他のサービス業に至る、産業全体が直面するものとなっている。



