中国スマートフォン市場に激震、アップルのシェアがトップ5圏外に
毎年連覇を続けてきた球界の覇者たるチームが最下位に沈むーーそんな大きな衝撃を以って受け止められたのが中国のスマートフフォンに市場に関する最新レポートだ。第1四半期におけるシェア番付でアップルがなんとトップ5から脱落。「その他ブランド」カテゴリーに追い込まれることになった。
11か月ぶりに市場回復
知財、技術投資等のコンサルティングを事業とするテックインサイツ(TechInsights、本社カナダ)が5月6日に発表した中国のスマートフォン市場に関するレポートによると、中国本土のスマートフォン出荷台数は第1四半期(2024年1~3月)、前年同期比1.0%增の 6.330万台を記録した。過去11四半期にわたる減少に歯止めがかかったかたちだ。
市場の主導権を握るのはoppo(オッポ)およびOneplus(一加)、オナー(Honor/荣耀)、ファーウェイ(華為)、vivo(ビボ)、シャオミ(xiaomi、小米)といった中国ブランドで、oppo/OnePlusが17.1%のシェアで首位に立った。そのほかオナーは16.7%、ファーウェイは16.6%、vivoは16.1%、シャオミは15.0%というシェアになっている。
TechInsightsのレポートを元に編集部で作成
アップルがトップ5から脱落
一方、アップルの市場シェアは13.7%で6位に転落した。同ブランドがトップ5から脱落するのは初めてのことだ。アップルの製品が中国市場で技術的なアドバンテージを発揮できなくなっており、業界リーダーとしての座を保持することが困難となっている現状がうかがい知れる。
シェアの大きな変動に見るように、中国の消費者の関心は、AIテクノロジーを始めとする新機能を搭載した中国製スマートフォンへとシフトする傾向がある。このトレンドがアップルの売上減少に直結することとなり、とくにグレーターチャイナエリアでは前年比で売上高が8%減少したことが公表されている。
国内ブランド志向が濃厚に
中国のスマートフォン市場はiPhoneを含めたトップ6ブランドで95.1%が占められており、主要ベンダーへの集中が進行中だ。そのため、スケールメリットを持たず、流通チャネルで制約を受ける中小ブランドは戦略展開で岐路に立たされることになった。たとえば魅族(Meizu)はスマートフォンの新製品の開発を中止し、人工知能(AI)によって駆動する新たなハードウェアの開発と創造に重点を移していくくことを発表している。
次世代技術をめぐる競争が激化し、中国ブランドの攻勢が続くなか、アップルは5月7日に最新タブレット製品となるiPadProを発表し、15日から発売を開始する。同デバイスは最新のM4チップを搭載し、AIへの対応を想定した高いパーフォマンスが売りで、究極の薄さと軽さを実現したことでも注目を集めている。中国のハイテク製品愛好者たちに選択肢を提供することで巻き返しを図り、ブランド価値の回復に向けた起爆剤としたいところだ。
スマートウォッチ市場も激戦
このほか、テクノロジーの進化とともに消費者のライフスタイルに深く浸透してきたウェアラブルデバイスの動向にも注視していく必要がある。2024年のグローバル市場予測によると、高級スマートウォッチの分野の年間成長率は15%に達する見通しだ。海外市場ではアップルのApple WatchOSが主導権を握り、GoogleのWear OSが追撃するという構図になっている。
一方、中国市場ではファーウェイの5Gスマートフォンの普及が進むにつれ、鸿蒙OS(HarmonyOS)搭載デバイスのシェアが61%に達しようとしている。Wear OS陣営ではOnePlus、OPPO、Xiaomiが牽引しており、こちらも中国ブランドが大きな存在感を示している。スマートウォッチが機能性を売りとするだけでなく、プラットフォームとしての役割を拡張している点も注目に値しよう。中国ベンダーの攻勢によって、グローバル市場における勢力図も影響を受けることが予測される。(編集:耕雲)
参考