7月1日から何が変わった?中国の暮らしに影響を与える注目動向7選(+α)
香港の中国への返還27周年にあたった7月1日、🔗香港・マカオからの中国本土入境、免税枠拡大に続く規制緩和が10日から開始されることが明らかにされた。一方、中国本土でも、改正・消費者権益保護法の施行をはじめ、暮らしに直結する動きがいくつか見られている。6月30日にAmazon中国がこれまで提供してきたKindleのサービスを完全終了したことにも注目が集まった。7月からの暮らしに影響を与える注目動向7点(+1項目)をピックアップする。
①“簡単決済”規制、事業者に追加義務
【価格差別、自動課金の規制】
「中華人民共和国消費者権益保護法施行規則」が2024年7月1日に施行になった。この規則は、高齢者や未成年者の消費者権益を保護するために、事業者に新たに課される義務が明示された。具体的にはテクノロジーを利用して商品の購入やサービスの受け入れを消費者に強制的に促すことを禁じるもので、サービスの自動延長や課金の自動継続などの手法が規制される。
消費者がサービスを受け取る前や自動延長・課金の自動継続が発生する前に、事業者は顕著な方法で消費者に注意を促す義務があるとされ、契約通りに商品やサービスを提供しなかった場合は、消費者の要求に応じて契約を履行するか前受金を返金しなければならない。また、経営者が重大な経営リスクを抱え、契約や取引慣行に基づいて正常に商品やサービスを提供することができない場合、前受金の受け取りを停止しなければならない。
②中国入国の壁高し?ビザ免除も見送り
【空港でのスマホ検査の真相】
「国家安全機関行政執法手続規定」と「国家安全機関刑事事件処理手続規定」が施行になり、外国人が中国に入国する際は携帯電話やパソコンなどの電子機器のチェックが7月1日から行われるとした報道が相次ぎ、衝撃を与えた。しかし、過度に反応する必要はないようだ。検査の前提条件や検査対象に一般人は含まれていない。話しは転じて7月1日からニュージーランド、オーストラリア、ポーランドの3か国の普通パスポート所持者に対して15日以内のビザ免除政策が試行されることになった。日本は依然として対象外のまま。中国入国の壁は依然として高い。
③有限公司の乱登記・乱用にダメ出し
【会社法改正で出資金の完納義務化】
改正「中華人民共和国会社法」が、2024年7月1日から施行された。有限責任公司の出資認証登記制度が改正され、全ての株主が定款に基づき認証した出資額を会社設立後5年以内に完納しなければならないことが明確化されている。
また、改正前に登記設立された会社で、出資期限がこの法律で定められた期限を超えている場合、法律、行政法規、または国務院の別の規定がない限り、期限を改正するよう段階的に調整する必要がある。出資期限や出資額が著しく異常である場合、会社登記機関は法律に基づき、速やかに調整するように求めることができる。
④電子免許証が試行、手続簡素化
【「交管12123」アプリが便利に】
中国本土の60の都市で自動車の電子版運転免許証が試行される運びとなった。住民や企業が行う車両の登録や違反処理などの手続きを簡素化し、オートバイの登録も「1つの証明書で全ての手続きを完了できる」ようになっている。異なる省の地域で行う登録手続きも、住民の身分証明書1つだけで可能となり、現地の居住証明書の提示を必要としなくなる。
車両所有者は「交管12123」アプリを通じて電子版の車両抹消証明書を取得でき、窓口での手続きが必要でなくなった。ナンバープレートや証明書の再発行もリモートで行えるようになり、運転免許証の再申請時の試験科目も最適化され、試験プロセスが簡素化されている。
⑤薬局から定番の咳止め薬が退場
【一部薬品の違法な流通防止】
7月1日から、咳止め薬のデキストロメトルファン(メジコンⓇ、中国語名:右美沙芬)をはじめ、ナフラフィン、ロルカセリン、ジフェノキシレートといった複方製剤、ミダゾラム原料および注射剤の管理が強化された。これらの薬品は新たに第二類または第一類の向精神薬に分類され、製造企業は定点生産資格および生産計画を申請しなければならない。
資格が未取得の企業は生産が禁止され、委託生産も不可となる。薬品のラベルおよび説明書は変更手続きが必要で、2024年10月1日以降、製品には規定のマークの貼付が求められる。第二類の向精神薬品経営資格を有しない企業はこれらの薬品を購入できず、既存在庫を売り切った後は補充できない。
国家药监局 国家卫生健康委关于加强右美沙芬等药品管理的通知 (nmpa.gov.cn)
⑥新エネ車に優遇適用の新条件
【優遇適用の走行距離下限は?】
「省エネ・新エネルギー車の車両税優遇技術要件の調整に関する公告」が7月1日から施行されることになった。新規定によると、優遇政策を享受するための省エネ・新エネルギー車は次の条件を満たす必要がある。プラグインハイブリッド(レンジエクステンダーを含む)乗用車の純電動航続距離は、条件付きで等価全電動距離が43キロメートル以上でなければならない。
このほか純電動バス(急速充電タイプを除く)は航続距離が200キロメートル以上、プラグインハイブリッド(レンジエクステンダーを含む)バスの純電動航続距離は50キロメートル以上、純電動貨物車は航続距離が80キロメートル以上であることが求められている。
⑦カップ麺の蓋押さえには便利!?
【Kindle中国のサービスが全面終了】
アマゾンのKindle中国が正式にサービスを停止し、11年の歴史に幕を下ろした。2024年6月30日を以ってKindle中国電子ブックストアはダウンロードサービスが停止され、未ダウンロードの電子書籍の閲覧ができなくなった。これにより中国の電子書籍市場からKindleは消滅した。
Kindle中国のサービス停止は2022年に通知し、2023年以降新しい電子書籍の購入が不可能になっていた。アマゾンは2007年にKindleを発売し、2013年に中国市場に参入、当初は好調であったが、その後、シャオミ(小米、Xiami)やファーウェイ(華為)などの中国企業がシェアを奪っていった。ネットではKindleがカップ麺の蓋にしか用を足さなくなったとするユーザーの嘆息が聞こえている。
「邦人NAVI」公式アカウント7月1日付記事🔗『胡さんの“英雄”行為に感謝と畏敬の渦、「友好と平和」の連鎖を願う声も』でも触れたが、日中対立を煽るなどのヘイト投稿に対して中国の大手IT会社が次々と対策を講じている。
◉テンセント(腾讯):800件以上の違反内容を処理し、約60のアカウントを使用禁止。
◉微博(Weibo):憎悪を煽り、犯罪を賛美する違法コンテンツ759件を一掃し、36人の違反ユーザーのアカウントを閉鎖。
◉ネットイース(網易):極端民族主義を煽る言論への対応、反日言論の削除とアカウント処分。
◉抖音(Douyin):胡友平さんの死に関する誤った極端言論を厳しく処置。
◉今日頭条:25日以降、13万8,486件の不適切な内容とコメントを処理し、15件の問題アカウントを封鎖するなどの処分。
このほかDouban(豆瓣)、バイドゥ(百度)、フェニックスネット(鳳凰網)も6月29日に投稿管理に関する公告を発表した。
(編集:耕雲)
参考