中国各地でデング熱“警報”、複数国の流行を受け入国者に抽出検査も
主要伝染病の予防対策強化を目的として中国国務院の聯防聯控機構が五一労働節連休前に発表した通知内容に注目が集まっている。この通知を受けて、連休中は中国入国・帰国者に対して体温チェックなど抽出検査が行われていたと目される。ブラジルやインドネシアで流行するテング熱にも警戒が高まっており、中国国内では注意喚起を行う地方政府も少なくない。
ブラジル等でデング熱流行
今年に入って、テング熱が南米や東南アジアで急速に流行している。ブラジル保健省が5月4日に発表した統計によると、2024年に国内で検出されたデング熱の疑い例と確定例は427万件以上にのぼり、死亡例は2,197件に達した。
アジアではインドネシアで死亡例が増えているとされ、中国国内でも広東省、広西チワン族自治区、海南省、福建省、浙江省などを中心に輸入症例が確認されているという。
感染ピークはまだ先か?
デング熱は熱帯・亜熱帯気候の地域で見られるウイルス性感染症として知られ、主にネッタイシマカ(Aedes aegypti)による媒介で発症する。3〜7日(最大14日)の潜伏期間を経て、発熱、発疹、「三赤」(顔、首、胸の紅潮)、「三痛」(頭痛、眼窩痛、筋骨格系の関節痛)の症状が現れる。感染しても不顕性感染(無症状感染)で終わるケースが多いものの、デング出血熱やデングショック症候群に発展し、死に至る場合もある。一般的に感染者は5月から徐々に増加し、8月から10月にかけて発症のピークを迎える。
現在、デング熱の確定治療法は存在しない。ヒトからヒトへの直接感染はほとんどなく、媒介となる蚊の駆除が効果的な予防法とされている。そのほかブラジルでは感染拡大を抑制するため、バクテリアによって同病気の感染力を低下させた蚊を人工的に繁殖させて放出する「生物療法」が試験的に行われてきた。さる4月29日には同国衛生部とミナスジェライス州政府がベロオリザンテ市でウォルバキア菌生物工場を竣工したことを発表している。
中国入国者に抽出検査
こうした中、主要伝染病の予防対策の強化を目的として中国国務院の聯防聯控機構が「五一」労働節連休前に発表していた通知内容に注目が集まっている。通知の発表以来、中国に入国する渡航者には体温チェック等の抽出検査が行われていたと目されるが、警戒対象となった感染症には新型コロナはもとよりデング熱も含まれる。複数国で感染者が増加している現状を注視しつつ、中国国内では感染防止のために注意喚起を行う地方政府も少なくない。(編集:耕雲)
参考
デング熱(Dengue Fever) (forth.go.jp)