PCはカバンに入れたままで!香港国際空港に新スマートシステムが導入、待ち時間圧縮!
空港の保安検査は旅行者にストレスを強いるプロセスだ。パソコンやスマートフォンなどの電子機器だけでなく、折りたたみ傘や液体類までカバンから取り出さなければならない。帽子や靴、ベルト等も安全チェックの対象となることは珍しくないだろう。あるいはトレーに忘れ物をして困惑した経験がある人もいるのではないだろうか。そんな空港の不都合な問題を解決する香港国際空港のスマート保安システムがいま注目を集めている。
「安全検査」加速化の壁
交通システムに関わるイノベーションは日本では関西が先行するイメージがあるが、中国では華南から全国に伝播していくのが相場だ。セルフチェックイン機を使用した搭乗券の発行や、コロナ禍で導入された「無接触セルフ保安検査モデル」も深圳宝安空港で導入されたのがパイロットケースとなった。
2022年からはスマートフォンで所定のコードをスキャンし保安検査レーンを素早く通過できる「易安検」(簡易保安検査)サービスの利用が可能になった。深圳宝安空港の場合、アリペイ(支付宝)の「民航公安服务」ミニプログラムで実名登録を行っておくと、初回の利用時に身分証確認が行うだけで以降は予約なしでサービスが利用できるという。(残念ながら外国人のパスポート番号ではミニプログラムへの登録はできないようだ。また、「上海民声直通车」Weixin公式アカウントの記事によると、上海では2回目以降の搭乗でも予約手続きが必要とされる。)
レーンの処理能力が大幅アップ
一方、手荷物検査のスマート化で昨今大きな飛躍があったのが香港国際空港だ。同空港を運営する機場管理局(HKIA)が8億香港ドル(約16億4550万円)を投資して新セキュリティーシステムを導入し、7月2日からその運営を開始した。具体的には、北側と南側にスマート機能を有する4台のレーンを新設し、1時間当たりの処理能力は従来の240人から360人に引き上げられた。空港全体の平均処理能力が8,400人から1万人と約20%増加する原動力となった。
新システム導入に伴い、空港スタッフ3,100人に研修が行われたとされるが、試算によると閑散とした時間帯なら人員を4分の1にまで減らしても大きな問題を来たすことはないという。同空港では50ある現在のレーン数も2年間で32に削減する計画だ。
パソコン類の取り出しが不要に
新システムでは、360度監視可能な3次元画像によるX線検査が採用されている。旅客はPCやスマートフォンだけでなく、100ミリリットルまでの液体、ゲル類、スプレー、充電器などをカバンから取り出さずに検査が可能になった。手荷物検査にかかる時間は15秒から10秒に短縮し、旅行客の98%が4分半で検査を完了できる見込みだという。
また、忘れ物防止のため、トレーに物が残っている場合に音でアラートする機能やトレーの自動回収システムが導入されたほか、安全上の観点から新システムに合わせて消火装置も設置されている。利用者にとっては手荷物検査にかかる時間が短縮し、ストレスを減少させるメリットがあるが、一方でセキュリティー強化も図られたかたちだ。第3滑走路が完成し、新ターミナルの建設が進む香港国際空港では、今後見込まれる利用客の増加に準備万端で臨もうとしている。(編集:耕雲)
香港国際空港のフライト発着数や利用客数は年末にはコロナ前の水準に完全回復の見通し
参考