「シティウォーク」には必須!?上海地下鉄も“コインロッカー”を試験導入へ
(※)キャッシュレス決済が基本となっている中国でコインが使われるケースは少ないが、当記事では便宜上「コインロッカー」と呼ぶことにする。
コインロッカーを設置しない理由
中国では宅配便の利用者が都合の良い時間に商品を受け取れるようにスマート宅配ボックスが住宅エリアに設置され、「最後の1マイル」と呼ばれる届け先との最後の接点をめぐる問題を解消している。日本でようやく普及し始めた「置き配サービス」が前近代的なサービスのように感じる人もいるのではないだろうか。
一方、日本では当たり前のサービスが中国では普及していない例もある。その一つが駅の荷物一時預かりサービスであり、中国では安全管理の問題から地下鉄駅でコインロッカーを目にすることはほとんどない。各駅で保安検査に複数人のスタッフが割り当てられている現状を考えると、ロッカーが設置される場合、その管理にも常時スタッフが必要とされるという発想になるだろう。
日本の鉄道駅・地下鉄駅のコインロッカー(画像:photo-ac)
シティウォークで高まる需要
中国人は、駅にコインロッカーや手荷物預かり所がない都市生活に慣れているが、荷物の一時預かりサービスの利用ニーズがないことを意味するわけではない。日本を訪れ、コインロッカーの存在を実際に目にし、利用した経験がある中国人旅行者は、これが“シティウォーク”に便利なツールであることを体得している。
上海市では、上海駅、上海虹橋駅、上海南駅の待合室の一部に“コインロッカー”が設置されているが、当日の乗車券がないと利用できない等の制約がある。ネット情報によると、上海虹橋駅の場合、駅出口や乗車券販売窓口エリアにもロッカーが設置されている。ロッカーのサイズによって(1日あたり)30元から80元、休日には50元から100元かかるという。そのため、駅付近のショッピングモールに設置されたロッカーや民間業者の荷物一時預かりサービスをリーズナブルに利用しようとする旅行者も少なくない。
上海地下鉄、10駅で試験導入へ
上海地下鉄はこうした旅行者が直面する問題を改善するために、2024年7月中旬から下旬にかけて、南京東路、豫園、人民広場、陝西南路、虹橋空港T2ターミナル、上海火車駅など主要10駅でコインロッカーを試験導入する計画だ。各駅には小型9個、中型9個、大型25個のロッカーが設置され、乗客はアプリや小プログラムを通じてロッカーの位置や利用可能な時間帯を事前に把握できるようになるとされる。
地下鉄駅にコインロッカーを設置する動きは上海より北京や福州、厦門のほうが先行していた。今年2月、北京地下鉄が観光地や交通ターミナルに近い地下鉄1号線軍事博物館駅、10号線豊台駅、7号線歓楽谷景区駅など5駅計9か所に設置し、5時30分から22時30分の時間帯で運用を始めたことを人民網が伝えている。このほか6月7日からは福州地下鉄で、福州火車駅、南門兜駅、達道駅、上藤駅、福州火車南駅の5つの地下鉄駅に設置が行われた。
厦門地下鉄の料金設定はフレキシブル
福州地下鉄のコインロッカーの料金は小サイズが3元/時間、中サイズが5元/時間、大サイズが6元/時間で、1日の利用料金は小サイズが15元、中サイズが25元、大サイズが30元となっている。SNSで共有された画像を見るかぎり、日本と比較して大型サイズのボックスの比率がが高めになっている印象がある。
なお、同じ福建省でも厦門(アモイ)地下鉄では、最初の2時間が無料で、2時間を超えると小サイズが1元/時間、中サイズが2元/時間、大サイズが3元/時間というように、よりフレキシブルな料金体系になっているという。ただし、1日料金については小サイズが10元、中サイズが20元、大サイズが30元というように福州地下鉄とほぼ同水準だ。上海の“コインロッカー”の料金設定がどのようになるのか注目される。(編集:耕雲)
参考
北京地下駅が保管用貸しロッカーを試験導入--人民網日本語版--人民日報 (people.com.cn) 最新:上海地铁要改!游客很苦恼:508个站都找不到!首批10多个点位,7月中下旬就位