中国全土で“ロボ”旋風、多都市で自動運転バスが運行、「車が人を待つ」時代へ
中国全土で自動運転技術の導入が急速に進む中、深圳市では新たに20台の自動運転バスが投入され、前海地区で7月末から試験運行が始まる。同市ではすでに坪山区や南山区でも自動運転バスが運行されている。自動運転のテクノロジーは低空経済にも波及していくと見られ、応用分野には限りがない。
深圳のロボバス、1元で運行へ
中国全土で自動運転技術の交通インフラへの導入が加速している。広東省深圳市では前海地区に自動運転バス(ロボバス)20台が投入される予定で、B998路など4路線で7月末から試験運行が始まる。バスは9人乗りで、LiDAR(ライダー)や高解像度カメラ、ミリ波レーダーを備え、360度の周囲を正確に感知できる技術を備え、運転者を必要としない「レベル4」に属している。乗客は「深巴(深圳バス)出行」ミニプログラムで利用予約が可能になる。試運転中の運賃は1元(約21円)。
同市では2020年に坪山区で自動運転バスが導入され、試験運行が行われてきた。掌紋識別システムが搭載され、乗客は手をかざすだけで乗車が可能なことも特徴として喧伝されている。また、昨年5月には南山区西麗地区でも自動運転のミニバスが登場していた。
ロボバス投入、全国に広がる
「ロボバス(Robobus)」の試験運行は「ロボタクシー(Robotaxi)」と同様に最近顕著な動きが見られており、ここ1か月だけでも四川省綿陽市、山東省済南市、海南省海口市で関連報道が相次いだ。たとえば海口市では、17日から海口美蘭国際空港の利用客が第1ターミナルと第2ターミナルの間をロボバスが往復するようになっている(ただし、安全監視員が同乗)。
このほか北京では、主要文化施設で自動運転のミニバスが運行を開始しており、地下鉄駅や駐車場から所定の目的地にたどり着くための「最後のワンマイル」問題を解決している。また杭州では、未来科技城で地下鉄接続ライン、良渚景区観光ライン、湘湖景区観光ラインといった3本のテスト路線が設置されているという。
「車が人を待つ」公共交通!?
上海では、人工知能(AI)技術を展開する深蘭科技(ディープブルーテクノロジー)が出資する熊猫バス(上海)が上海のバスグループと契約し、500台の自動運転バスが投入される運びとなった。車両は中車時代が製造し、国内で初となる大規模な商用化を想定している。
従来の「人が車両を待つ」公共交通を「車が人を待つ」ものに変革するのがコンセプトで、地下鉄や産業園区、大型コミュニティ、大学都市、展示会場などの所定エリアを中心とした1キロから3キロ圏内を対象とする。市民はオンラインのミニプログラムを通じて乗車予約ができる。多くの利用データを収集することで、移動需要を満たした最適なルートを自動計算し、適切な配車調整に役立てていくと見られる。
陸から空へ、無人領域が拡大へ
無人化技術の広がりはとどまるところがない。「ロボ貨物車(Robovan)」や「ロボ清掃車(Robosweeper)」はもとより、無人販売、無人充電などの領域でも応用されており、中国の「独自技術」が喧伝されることが多い。
無人化テクノロジーはドローン以外の低空経済への応用も想定されているといえる。eVTOL(イーブイトール、電動垂直離着陸機)は2026年にも実用化が見込まれ、浦東国際空港から外灘(バンド)までわずか10分で移動が可能な近未来交通だ。コックピットには監視役として乗務員が配備されるといわれるが、安全監視員を必要としない自動運転車のように、“完全無人化”が実現する日も遠くないかも知れない。(編集:耕雲)
参考