日本体操エースの喫煙・飲酒問題より深刻?未成年の市販薬乱用が日中両国で物議
日本女子体操エースが法律とチームの行動規範に違反して喫煙・飲酒をしたことでパリ五輪の出場辞退に追い込まれた。時を同じくして、いま日中両国で未成年の市販薬の過剰摂取が社会問題となっている。薬品の入手のしやすさや、違法性が薄いことが若者の“オーバードーズ”増加に拍車をかけているとされる。問題解決のためには薬剤師や販売者等の役割強化も急務であり、社会全体で対策を講じていくことが求められている。
未成年エースの喫煙で波紋
日本女子体操チームのエースである宮田笙子選手が、法律とチームの行動規範に違反して喫煙および飲酒をしたため、パリ五輪の出場を辞退した。この事件は日本国内のみならず、中国のSNSでも賛否両論を巻き起こしている。
規律と法律への違反は言語道断との意見がある一方、宮田選手があと2か月で満20歳を迎えることから、厳格な今回の措置に対して驚きの声も多く上がっている。また、成年年齢や結婚可能な年齢が18歳であるのに対して喫煙・飲酒の禁止年齢を20歳未満とする日本の法律の矛盾を指摘する意見もあった。
<日本> 『未成年者喫煙禁止法』
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| <中国> 『未成年人保護法』
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日本、中国ともに未成年者の喫煙・飲酒を禁じている
SNSで広がるオーバードーズ
さて、薬物過剰摂取(オーバードーズ)が近年大きな社会問題となっている。7月21日付中日新聞第1面の報道によると、昨年10月から12月にかけて実施された調査の結果、過去1年間に薬の副作用を目的とした市販薬の乱用経験のある人は15~64歳で約65万人と推計されるという。特に10代が1.46%、50代が1.24%と高い割合を示しているのが特徴的だ。未成年による喫煙や飲酒が法律違反であるのに対して、市販薬の過剰摂取は違法性が薄い。そのため、遵法意識が強い人でもハードルが低かったと想像される。
乱用の対象となる市販薬には、鎮咳去痰薬(咳止め)、総合感冒薬(風邪薬)、解熱鎮痛薬(痛み止め)、鎮静薬、抗アレルギー薬、眠気防止薬(カフェイン製剤)などがある。中でも問題視されているのがデキストロメトルファンだ。SNSなどを通して、「つらい気持ちを紛らわせられる」「ハイになれる」といった体験談が拡散され、このことが使用動機につながるケースが多いという。薬品本来の目的ではなく、認知や感情の変化を引き起こす副作用を目的とした使い方であり、大量に摂取すると脳に損傷を与え、死亡リスクさえある。
乱用回避の支援策は?
このような薬物乱用防止には薬剤師や登録販売者の役割が重要になってくる。購入者に対して丁寧な声掛けや説明を行い、氏名や年齢、購入状況、必要な数量などを確認する必要も求められてくるだろう。また、乱用に対する広範な知識を持ち、適切な対応を行うための研修を受講し、地域の相談窓口や医療機関との連携を確保することが望ましい。
厚生労働省はホームページで「一般用医薬品の乱用(オーバードーズ)について(薬剤師、登録販売者の方へ)」と題した告知を行い、販売制度の見直しや当事者による支援を求めている。学校教育における予防教育も重要であり、地域の相談窓口と連携し、適切な対応を行うことが必要になる。
中国で咳止め薬販売に罰金事案
中国では、7月1日からデキストロメトルファン(メジコンⓇ、中国語名:右美沙芬)を含む複方製剤、ナフラフィン、ロルカセリン、ジフェノキシレート、ミダゾラム原料および注射剤の管理が強化され、これらは第二類または第一類の向精神薬に分類されることになった。昨今、処方箋なしで販売した薬品販売サイトが摘発され、蘇州市の業者に5万元の罰金が科される事案も発生している。
このほか、動物用薬品である塩酸チラタミンを含む電子タバコも問題となっている。チラタミンは動物用麻酔薬として使用され、少量で幻覚作用が現れ、過剰摂取によって全身麻酔、意識の混濁、死に至ることもある。現在、チラタミンは管理目録に含まれていないが、動物用麻薬と向精神薬の管理強化について7月5日に農業農村発展部と公安部が共同で公告を発表し、15日に実施される運びとなった。(編集:耕雲)
参考
未成年人吸烟明令禁止,有法可依看这里!(qq.com)