水郷・朱家角に異色の現代アート発信基地、注目の「布旅」展は28日まで
上海のベニスとも称される歴史的な水郷古鎮、朱家角に位置するAAEFアートセンターは、昨年11月にオープンしたユニークなアート発信基地だ。元工場の建物を改装し、総面積2800平方メートルの庭園付き施設で、日中韓の現代アートの交流と集積の場として多彩なイベントを開催している。
現在開催中の「布旅」展では、“ソフトスカルプチャー(軟彫刻)”作品が展示され、集団と個人、生と死の関係を探求する哲学的なメッセージが込められている。同展は7月28日まで。
水郷・朱家角に現代アートの殿堂
上海のベニスとも呼ばれる歴史的な水郷古鎮、上海青浦区朱家角古鎮に位置するAAEFアートセンターは、元々工場だった建物を改装したユニークな芸術発信基地である。総面積2,800平方メートルの庭園付き施設で、アジアの現代アートの交流と集積の場として異色の輝きを放っている。
正式オープンは昨年の11月11日。在上海日本国総領事館がWeixin(WeChat、微信)公式アカウントで配信した記事によると、当日の開館セレモニーでは日中韓3か国のパネラーによる国際フォーラムやファッションショーが催された。以来、アジアの現代アートの調査と研究、展示を主要テーマとしつつ、地域社会に根ざした多彩な交流活動を手掛けている。
日中韓のアート交流
7月には日本人アーティストによる陶器作品の展示、韓国のパフォーマーによるパントマイム劇の演出、中国の六堡茶文化を通したサロン空間を創出し、来館者にアーティストたちとの交流の機会を提供した。日本からは「チェルシーフラワーショー」で金賞を受賞した庭園デザイナーの石原和幸氏、陶芸家の山根宏一氏、相馬正和氏、矢鋪舆左衛門氏の作品が展示された。
同センター館長の洪欣氏は、東京大学で経済学博士号を取得し、文化服装学院で修士号を得た後、パリのESMODで学ぶなど異色の経歴を持つ。デザイナー、現代アーティスト、美術館館長、さらにはコラムニスト(『人民日报海外版日本月刊』の「アジアの眼」コーナーに寄稿)として幅広く活躍しており、AAEFアートセンターを地域文化と伝統、そして現代アートを融合させた交流体験を可能にする発信基地として独特の彩りを添えている。
現代アートを融合させた交流体験を提供
ソフトスカルプチャーの世界
開館以来、来場者の目を引きつけているのは計文于氏と朱衛兵氏による布を使ったインスタレーションアートである。計氏は上海生まれで、80年代から抽象画を描き始め、その後、キッチュで中国要素が豊富なポリティカル・ポップを手掛けた。一方、朱氏はファッションデザイナーとして活動した経緯がある。夫婦である2人は現在、身近にある布を素材に用いた“ソフトスカルプチャー(軟彫刻)“の共同制作をライフワークとしている。2人の作品は集団と個人、生と死の関係を探求し、日常生活のシーンに根ざした光景に哲学的なメッセージを添えている。
例えば、代表作「上山、下山(Climbing Up the Mountain, Climbing Down the Mountain)」では888人の小さな人間が群がる。そのほか、巨人の膝の上に載せられた大衆、1つの椅子に群がりよじ登ろうとする人たち、巨大な滝を前にたたずむ人などの描写も目を引く。どんな解釈をするかは人それぞれだが、現代社会の悲哀や不平等の風刺を感じる鑑賞者は少なくないだろう。計文于氏と朱衛兵氏による「布旅」作品展は7月28日まで。(編集:耕雲)
身近にある“布”を素材に現代社会への批評を表現
参考
AAEF ART CENTER – ART MUSEUM in Shanghai
平面からソフト・スカルプチャーに辿り着くまで | 人民日報海外版日本月刊 (peoplemonthly.jp)
竹中副総領事はAAEFアートセンターオープニングセレモニーに出席 | 在上海日本国総領事館 (emb-japan.go.jp)
AAEF艺术中心上海开馆 “布旅”触发关注热度_腾讯新闻 (qq.com)