宅配ロッカーに『遺灰』安置のデマ!? HIVE BOX、保管物品の厳格規定を強調
「遺灰は宅配ロッカーに安置するとリーズナブル」というブロガーの投稿がSNSで話題を呼んだ。ブロガーは不適切な発言だったと謝罪、すでに事態は沈静化に向かっている。しかし、ロッカー利用における禁止物品ルールの徹底や、犯罪防止対策のあり方が今後、問われていくことになりそうだ。
単なるジョークのつもりが…
7月18日、Weibo(微博)の認証ブロガーが「骨壺の安置は宅配ロッカーならリーズナブル」と投稿し、大きな話題となった。「友人の父親が亡くなり、共同墓地(公墓)を購入するお金がなく、家も狭いため、遺骨の安置場所として宅配ロッカーを選んだ。年会員カードを購入すれば1年のコストはたった55元」という投稿内容だった。
同投稿には「ドアの開閉がうるさいと故人が夢に出てきた」というエピソードも添えられた。当のブロガーは単なるジョークのつもりであったとされるが、社会を巻き込む話題となったことで、ブロガーは7月23日昼、不適切な内容だったと謝罪した。同ブロガーはすでに関連する投稿を削除している。
保管タブーの物品とは?
オンラインショッピングで配送される荷物の受け取りに欠かせないスマート宅配ロッカー。中国では都市部の住宅やオフィスビルに多く設置されているおなじみのツールだ。その使用ルールについて国家郵政局、公安部、国家安全部が2017年1月20日に「禁止寄遞物品管理規定」を発表し、生化学製品、感染性物質、遺骨などを禁止物品としている。
スマート宅配ロッカーを展開する大手「豊巣(フォンチャオ、Hive Box)」も「豊巣保管サービス規約」で遺骨・遺灰、危険物等の保管を禁止する旨を明示している。一方、同社の料金規則によれば、小型ロッカーの月額料金は20元、中型は25元、大型は35元であり、年間で最低240元かかる。したがって、問題となった投稿に記されていた「1年間55元で利用可」という金額も事実に即していない。
(画像上)「豊巣」がロッカーへの保管をタブーとする物品ジャンルの一部:「生鮮食品、生きた動物、動物の死体、遺骨、遺灰およびその他公序良俗に反する物品、または不快感を招く恐れのある物品」;(画像下)京王線・井の頭線が定める「コインロッカー使用約款」
コインロッカーをめぐる社会事件
公共施設向けロッカーの使用ルール違反が社会問題化するリスクは小さくない。日本でも過去の事例は枚挙にいとまがなく、指定薬物を含む危険ドラッグの隠匿のために使用された事件や、死体遺棄に使われた事件が注目されてきた。村上龍著『コインロッカー・ベイビーズ』が出版されたのは1980年のことだ。親が新生児をコインロッカーに遺棄する事件はかくも長い間、社会現象となってきたと言える。
「コインロッカー・ベイビー」の問題が絶えない背景には、育児放棄や経済的困窮が多いことが指摘されている。発見が遅れ乳児の命に関わる重大な事件に発展することもしばしばあり、社会的支援の不足や育児環境の改善の必要性が浮き彫りになった。最近では、2023年1月に、大阪市のコインロッカーに出産したばかりの赤ちゃんの遺体が入ったカバンが遺棄され、33歳の女性が逮捕される事件が発生した。
上海地下鉄でコインロッカーが設置
近日、上海の一部地下鉄駅に荷物一時預かりロッカー(行李寄存柜)が設置されネットで話題になっている。現在は試行段階だが、南京東路、豫園、人民広場、陝西南路、虹橋空港第2ターミナル、上海駅等で運営実績を積んだうえで、主要な交通ハブ、商業地域、観光地へと普及させていく見通しだ。ロッカーには小、中、大の3種類があり、小型サイズにはリュックサック程度の荷物が、中サイズには20インチのスーツケースが、大サイズには28インチのスーツケースがそれぞれ収納可能となっている。
ロッカーの配置調整が完了すれば、利用者は「Metro大都会」アプリやサービス提供者のミニプログラムで予約状況や位置、利用時間を確認できるようになる。その際、留意しておきたいのは利便性と犯罪や事故とは常に背中合わせであることだ。利用ルールの見直しや新規定の設定、監督体制の徹底などが進められていくことも想定されよう。(編集:耕雲)
参考